家賃値上げ回避のためアパートを放火した男 「仕送りや結婚予定…の画像はこちら >>
恋人と暮らすアパートの家賃が高くなり、払うことができなくなった男。困った末にアパートに火を放ち逮捕されていたことを、『AsiaOne』など海外メディアが伝えた。
マレーシア出身の男(36)がシンガポールに移り住み、冷凍食品の会社に就職。倉庫管理や運転業務を任され、せっせと働いて母国で暮らす家族に仕送りを続けていた。
私生活では恋人にも恵まれ、同棲を開始。大家、間借り人2名、恋人も含め計5人で寝室が3つあるアパートで暮らすようになった。しかし今年2月、男は大家から想定外の話を聞かされ困惑した。
「家賃を200ドル(約2万円)上げることにしたため、4月からは毎月950ドル(約9万7,000円)払ってほしい」と言われたのだ。
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外国で自活し少しずつ貯金しながら、母国で暮らす両親たちに送金する。それも決して楽ではなかったというのに、このままでは家賃さえ払えなくなってしまう。
家賃が安い場所に移る、または副業を探すなどしてどうにかするという手段もあっただろうが、激しく動揺していた男はアパートへの放火を計画した。そうすれば、大家も家賃の支払いを求めるどころではなくなると考えたのだ。
計画実行を決めた男は4月5日午前7時15分頃にアパート内のカーテンに火をつけ、そのまま外出。大家はまだ眠っていたが、しばらくすると煙の臭いで目を覚ました。
火災発生に気づいた大家は自力で火を消そうと試みたが、無理だったために通報。消防隊がすぐさま現場に駆けつけ、消火に成功した。
大家は命こそ助かったが、右の手足に火傷を負っていたため病院に搬送された。アパート内もダメージが大きく、設置してあった送風機、ライト、配線なども焼けてしまったため修理が必要な状態だという。
このほどメディアの取材に応じた隣人は、男について「4年ほどあのアパートで暮らしていました」、大家については「まだ怪我が治っていない状態のようです」と明かしている。
身柄を確保された男は容疑を否認していたが、監視カメラの映像を見せられて犯行を認めた。この件で出廷し深く反省していると述べ、大家に対しても謝罪。
また「マレーシアで暮らす老いた両親、そして祖母を僕一人で養っていたのです」「来年には結婚する予定もあります」と述べ、家賃の値上げに困っていたと話した。
5月5日には、この男に懲役8ヶ月の実刑判決が下された。早い時間の放火で寝ていた人もいたというのに誰も死亡せずにすんだのは、せめてもの救いとなった。