「知らなかった」「ずっと飲んでたのに」 三ツ矢サイダーの『味』はこうして決まっていた

大人から子供まで幅広い世代に愛される『三ツ矢サイダー』は、約140年もの歴史がある炭酸飲料です。
オレンジやレモンなど、時期限定のさまざまなフレーバーも人気ですよね。
こうしたオリジナル以外のフレーバーはどのようにして決めているのでしょうか。
飲料メーカーである、アサヒ飲料株式会社の林佳央さんに、『三ツ矢サイダー』のフレーバーについてお話しを伺いました。
――2023年現在までに、どのくらいの数のフレーバーが出ている?
復刻版などもあるので詳しい数はお伝えできませんが、『三ツ矢サイダー』ができてから今まで200以上のフレーバーを発売しております。
――オリジナル以外で初めて登場したフレーバーは?
1908年に発売された『三ツ矢ヲレンジ』が初めてのフレーバーとなります。
――新しいフレーバーは年に何商品出ている?
その年にもよりますが、毎年10~20のフレーバーを発売しております。
――フレーバーは誰がどのようにして決めている?
消費者ニーズ、その時期のトレンド、季節性、過去商品の実績などを踏まえて、三ツ矢サイダー担当グループで話し合い、決めております。
――フレーバーを作る上で大事なポイントや、難しい、面白いと思うことは?
すでに市場にはたくさんのフレーバー付きの炭酸があるので、フレーバーの付加価値を、お客さまにどのように訴求するかが大切なポイントだと思っています。
お客さまがどんな気持ちの時に『三ツ矢サイダー』を手に取りたいか、また飲んだ後にどのような気持ちになりたいかなど、具体的なシチュエーションを意識しています。これが難しい点であり、面白い点だと思います。
――担当者お気に入りのフレーバー、現在展開されている商品のおすすめは?
私のおすすめは、特定保健用食品の『三ツ矢サイダーW』です。
とうもろこし由来の食物繊維(難消化性デキストリン)の働きにより、「食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする」「食後の血糖値の上昇をおだやかにする」という、『三ツ矢サイダー』では唯一の機能を持っています。
カロリーゼロ、糖類ゼロなので、スッキリとした甘さと『三ツ矢サイダー』ならではの強めの炭酸が味わえますよ。
――これまでに発売した中で、特に反響が大きかったフレーバーは?
2023年1月に『特濃シリーズ』から発売した『三ツ矢特濃ピーチスカッシュ』ですね。
2021年から発売している『特濃シリーズ』は、果実をまるごと搾った果汁を使用した果汁炭酸飲料です。このピーチフレーバーは「桃をかじっているみたい」「桃感ハンパない」など、SNS上で大きな反響がありました。
――残念ながら実現しなかったフレーバーはある?
キウイフルーツ果汁を使った商品です。近年では、キウイ自体の人気がじわじわ上がってきているので、いつか実現したいと思っています。
100年以上も前から新フレーバーの展開を行っていたこと、試行錯誤しながら年間10~20もの新フレーバーを発売していたことに、驚いた人も多いのではないでしょうか。
これからどんな新しいフレーバーが出てくるのか、今後も『三ツ矢サイダー』から目が離せませんね!
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]