物事の核心に迫る「大石が聞く」。今回は、ワクチン接種後に体調不良になり、1年半以上中学校にほとんど行っていない14歳の少年です。病院をたらい回しになっている現状とは。
外出に杖が手放せなくなりました。埼玉県に住む14歳の少年。長時間立っている事はできません。
(少年)「(杖が)無くても歩けるんですけど、座るところがない時に、杖をついて立っていられるように」
ワクチンを打ったのは2021年8月。中学1年の夏でした。
新型コロナワクチン接種後に体調不良 “外出に杖が手放せなくな…の画像はこちら >>
異変は1回目の接種後に起きました。(少年)「ハンマーで殴られているみたいな感じ。2日くらいしたら治るのかと思っていたら、1週間くらいしても全然治らなくて、ちょっとおかしいなって」以来、手や背中の発疹、起きていられないほどのだるさなどの体調不良が続いています。(少年)「けん怠感が一番辛い。息切れと頻脈と動悸(どうき)が一番出ている」
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いまは中学3年ですが、1年の途中から学校には通えていません。(少年)「特に卓球は1年生からやりたくて入った部活なので、やれていないのが悔しい」(母親)「楽しみにしていた中学校生活を台無しにさせてしまって申し訳ないです」
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また、記憶障害にも悩まされています。(少年)「集中力も記憶力も全然なくて、前は覚えられていたことがすぐ忘れるようになって、今では紙に書かないと覚えられない」(母親)「(接種前は)洗濯物取り入れたり、食器洗ったりができた。口頭で言って数時間後に帰ってきてもできたが、最近はメモを取らないと覚えられない」
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しかし、少年は10以上のクリニックでたらい回しに。さらに、ワクチンの副反応に対応するため、都道府県が指定している「専門医療機関」にも行きましたが、そこでもわからないと治療を断られました。現在は針治療を受けたり、漢方薬を飲むなど対症療法が中心です。
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東京・渋谷区にあるヒラハタクリニック。これまで約6000人の「コロナ後遺症」患者を診察してきた一方で、ワクチン後遺症患者も400人近く診察しています。
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(大石邦彦アンカーマン)「コロナ後遺症とワクチン後遺症の共通点はある?」(ヒラハタクリニック 平畑医師)「ワクチン後遺症は味覚嗅覚障害があまりないのが一つの特徴。あとは全く同じです。治療も同じ。同じ病気として扱っている」
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平畑医師は国もワクチン後遺症の存在を認めた上で、適切な診療点数をつけることが、より多くの医師が本腰を入れて治療にあたることにつながると指摘します。
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(ヒラハタクリニック 平畑医師)「少し点数が増えるだけで診てやろうという気持ちになる。国としても本腰いれてやっているというメッセージにもなる。全く何もなしで診たいやつだけみておけだと、医師側も診ようという話にならない」(大石アンカーマン)「厚労省は現場の声を吸い上げようとしている。各都道府県の指定された大きな病院から声を吸い上げようとしているが、このシステムではだめ?」(ヒラハタクリニック 平畑医師)「だめでしょうね。大きな病院の先生方は診察を断っちゃうので」(大石アンカーマン)「患者が路頭に迷うのでは?」(ヒラハタクリニック 平畑医師)「迷っていると思います」
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この日は地元の小児医療センターへ。専門医療機関ではありませんが、体調不良が少しでも軽くなればというわずかな期待が。
(大石アンカーマン)「いろいろ検査はできた?」(少年)「検査をしていなくて、コロナの免疫専門科ではないので、また紹介状を書いてもらって次の所へ。別のところに行くような感じで。きょうは診察だけで、検査はしていない」
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別の病院を受診したうえで判断すると、ここでも治療は断られました。中学3年の少年。高校進学の見通しも立っていません(少年)「将来このまま症状が治らなくて、社会人になって仕事に就けなかったらどうなるんだろうとか、仕事に就けなかったらどうするかなとかを考えています」
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接種後の皮膚炎やだるさ、歩行困難に悩んでいるこの少年は、クリニックでも都道府県が指定する専門医療機関でも、ほとんど治療を受けられずたらい回しになっていました。
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専門医療機関は元々、副反応の治療や原因究明のため、国が指定を指示したものなんですが、そこで何もできないという事は、その情報をもとに副反応対策を立てようという国の方針も成り立たないことになります。
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6回目のワクチン接種が始まった中、国は副反応対策に本腰を入れなければならないのは言うまでもありません。