2月3日は節分。「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆をまいたあと、自分の年の数だけ豆を食べて一年の厄除けを願います。
古来から災いや疫病をもたらす邪気の象徴として恐れられてきた鬼。そんな鬼でも恐くて近寄れないというコワモテの名字が存在するのをご存じですか。どんなイカつい字面なのかと思いきや、意外にも全国名字ランキング5位にランクするメジャーな名字なのです。
節分に豆まきをしなくてもいい不思議な名字にまつわる言い伝えを紹介しましょう。
ときは、平安時代。京の都周辺を荒らしていた鬼たちを退治するため、武将・源頼光(みなもとのよりみつ)に仕えていた四天王が鬼退治へと向かいました。
鬼の頭目である酒呑童子(しゅてんどうじ)の討伐が完了すると、配下の茨木童子(いばらきどうじ)が仕返しにやってきます。しかし茨木童子は返り討ちにあい、腕を切り落とされてしまいます。
その腕を切り落としたのが、「渡辺綱(わたなべのつな)」という人物でした。以降鬼たちは血筋を恐れて、ワタナベ姓の人には手を出さなくなったといわれています。
四天王のひとりには、昔話の「金太郎」でおなじみの坂田金時(さかたきんとき)がおり、坂田姓も豆まきをしなくてもいいのだそう。
ちなみに、「渡辺」はどんな漢字であっても読みが「ワタナベ」であれば豆まきをしなくてもいいとされています。
節分に豆まきをしていない人を見かけたら、それは渡辺さんか坂田さんかも?
[文・構成/grape編集部]