犯行を隠蔽しようとする殺人犯は多いが、海外では息子を殺害後、巧妙なうそをついて演技をし、罪を免れようとした父親がいる。
イギリス・ダービーシャーで、41歳の父親が11歳の息子を撲殺。その後、息子を公園に運んで犯行を隠すため、木から落ちたと救急隊に連絡した。事件の裁判が行われたことを、海外ニュースサイト『Mirror』と『The Daily Star』が5月18日までに報じた。
報道によると2022年6月18日、父親は自宅で息子を幾度となく殴ったという。息子は意識を失ったが、その後、男は息子を車に乗せ近くの公園へ向かった。公園で木の下に息子を置くと、男は救急隊に電話。「かくれんぼをしているときに息子が木から落ちた」と説明した。
>>61歳母、幼い息子を車にくくりつけ高速道路を走行し逮捕 悪口を言ったのが原因と供述<< 救急隊が到着し息子は病院に運ばれたが、病院で死亡が確認された。男は救急隊が救護にあたっている際も息子を心配するような演技をしていた。 息子はその後司法解剖に回されたが、息子には顔、頭、腕、背中、首に鈍器のようなもので殴られた外傷があったこと、肝臓が破裂し胃の中に1.5リットルの血液があったことが判明。日常的に虐待があった可能性があり、木から落ちただけではこれほどの重傷を負わないことから警察は父親が容疑者として捜査し始めた。なお、母親の存在についての情報はない。 当初、父親は警察の聴取を拒否していたが、後日応じた。しかしその際も「事件当日、私は息子と1日公園で過ごしてかくれんぼをしていた。息子が木に登る場面は見ていなかったが、落ちる音は聞いた」などと主張したそうだ。 その後の調査で監視カメラの映像に父親が運転する車に息子を乗せ、公園に到着する様子などが映っていたことが分かった。これらの証拠から警察は父親が犯人だと断定。証拠を元に行われた2023年4月3日の公聴会で男は殺人を認めた。 5月に事件の裁判が行われ、父親には21年の刑務所行きが言い渡された。なお息子を自宅で殴った時点で、父親が生死を確認していたのかは不明なものの、裁判では病理学者によって父親が殴った時点では息子は生きており、迅速な治療を受けていれば生き残った可能性があると明かされた。一方で、病理学者は息子が死ぬ直前、強い痛みと吐き気を伴っていただろうと話した。 裁判で男側の弁護士は「男は自分がしたことに対して深く後悔している。最愛の息子に心からごめんさないと言いたいと話していた」と伝えた。 このニュースが世界に広がると、海外のネットユーザーからは「最低な父親。もっと刑が重くてもいい」「父親は悪人としか言いようがない」「子どもを殺しておいてごめんさないで済まされない」「木から落ちたとうそをついているあたり罪を感じていないと思う」「隠蔽工作をしているし計画的。21年の刑期は短すぎる」といった声が上がっていた。 刑の短さを指摘する声も多かったが、罪のない幼い子どもが犠牲になった重大な事件である。男は刑務所で反省の日々を送るべきだ。 記事内の引用について 「Moment killer dad lies to paramedics after beating son to death saying he fell from tree」(Mirror)より https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/moment-killer-dad-lies-paramedics-30016269 「Dad 'went crazy' and battered son, 11, to death before claiming he 'fell from tree'」(The Daily Star)より https://www.dailystar.co.uk/news/latest-news/dad-went-crazy-battered-son-30017115