勝てば史上最年少七冠 藤井六冠vs渡辺名人の名人戦第5局が始まる 決戦の舞台・長野県高山村ってどんな村? 藤井六冠にも食べてほしい…名物は「根曲がり竹」

ここまで3勝1敗の藤井六冠が、タイトルに王手をかけて臨む名人戦七番勝負の第5局は31日午前9時に長野県高山村の老舗旅館「藤井荘」で始まりました。

先手は、名人4連覇を目指す渡辺名人です。藤井六冠が勝てば、40年ぶりに谷川浩司十七世名人が持つ名人獲得の最年少記録を更新。また、羽生善治九段以来史上2人目の七冠となり、こちらも最年少記録を塗り替えます。

30日に行われた前夜祭では…

(藤井聡太六冠)
「ここまでの4局の経験をいかして、よい将棋にできるように、一手一手考えて、全力を尽くしていきたいと思っている」

(渡辺明名人)
「目の前の一局をやっていくしかないと思うので、自分の持てるものを出し切って、頑張っていきたいと思う」

高山村は長野県北東部に位置し、名古屋からは約300キロ。村にある松川渓谷沿いを中心に8つの温泉が点在し、四季折々に癒しを求める人が多く訪れます。

中でも対局場所は山田温泉にある名旅館「緑霞山宿 藤井荘」。200年以上の歴史があり、森鴎外など多くの文人墨客に愛された秘湯です。

(報告:藤井祐輔記者)
「藤井荘の前には写真を撮ろうと観光客の方が続々と集まってきています」

歴史的瞬間が生まれるかもしれない…。その地に身を置きたいという人たちも。

(長野県内から来た人)
「帰ってテレビで見て(けさ行ったのは)あそこだよと家族に自慢できるかな。(
Q:将棋は好き?)一切知らない。(Q:藤井六冠のファン?)そうそう」

こちらは埼玉から来た女性グループ。念願の記念撮影です!

(埼玉から来た人)
「藤井聡太先生が頑張っているところを近くで応援したい。静かに写真を撮り、静かにいる。緊張感を一緒に味わってホテルに戻って中継を見て応援したい」

持参していたアクリルスタンドについては…。

「藤井先生のファンは、みんな持っていて、どこに行くにも藤井先生と一緒」

普段、静かな高山村が藤井効果にわいています。名物を伺うと…。

(信州高山村観光協会 涌井貞朋会長)
「食べ物が特においしい。(Q:これだけは食べて欲しいものは?)根曲がり竹!根曲がり竹を使った根曲がり汁がある。サバ缶の水煮の出汁を、そのまま使って、根曲がり竹と信州みそを入れて食べる。今しか食べられない貴重な根曲がり汁。(Q:渡辺名人・藤井六冠にも食べて欲しい?)もちろんです」

根曲がり汁の具材は根曲がり竹。春から初夏にかけて採れる高級食材で、名前の由来は根が曲がって生えるタケノコだから。

(報告:藤井祐輔記者)
「(根曲がり汁は)普通のタケノコと違い、シャキシャキした食感で、とてもおいしい」

高山村では、例年5月27日から6月25日までの間だけ収穫できるという決まり。皆さんの、いわばソウルフードですが、東京の銀座や赤坂などの高級料理店では1本が1000円から2000円になる所もあるそうです。

さらに、村の土産店で名物の温泉まんじゅうを買ったという愛知からの女性は…。

(愛知から来た女性)
「(藤井六冠と渡辺名人が)お土産で、もらうそうです」
(一緒に来ていた男性)
「藤井荘の女将と(店が)仲が良いらしく、注文が入っていると…」

なんと、店には藤井荘に6月2日に届けるための注文がすでに入っているとのこと。それを聞いて女性は、記念に購入したと言います。

(愛知から来た女性)
「きのう食べました。おいしいです」

名人戦の持ち時間は、それぞれ9時間で、第5局は6月1日夜に決着する見込みです。

人口約6600人の長野県高山村が活気づいています。CBC藤井記者の報告でした。