【詳報】男子中学生、カッターナイフで頭切られる 教室での言い争い発展、筆箱から取り出し… 富里の中学校

富里市教育委員会は3日、市立富里中学校の教室内で生徒2人がけんかとなり、カッターナイフを持ち出した生徒が相手の生徒の左側頭部を切りつけ、けがをさせたと発表した。切られた生徒の命に別条はない。トラブルに至った詳しい経緯は分かっておらず、成田署は傷害事件として調べている。
市教委などによると、2人はクラスメートの男子生徒で、2日午後1時ごろ、給食後の昼休み中に同校の教室内で言い争いからけんかになった。1人の生徒が自分の筆箱から全長約15センチのカッターナイフを出し、相手の生徒の左耳の上部を1回切りつけた。傷口は長さ2~3センチ程度で、医療機関で縫うなどの治療を受けて帰宅した。被害生徒の保護者は成田署に被害届を提出した。
市教委によると、当時教室に担当教員はおらず、クラスメートが「やめろ」と制止しようとした。校内を巡回していた教員が駆け付けて、カッターナイフを回収した。同校が同日中に目撃した生徒に事情を聴いたが、けんかに至った詳しい経緯は判明していない。
校内へのカッターナイフの持ち込みは禁止となっており、授業で必要な際も私物を使わない決まりになっていた。
昨年12月に実施したいじめを把握するためのアンケートでは、2人の間でいじめやトラブルをうかがわせる記述はなかったという。市教委は「(切りつけた生徒から)話を聞けておらず、詳しい経緯が分からない。警察や児童相談所と連携し、いじめの有無も含めて調査する」とした。
同校は3日、全校集会を開いて生徒に説明した後、生徒一人一人と教育相談を実施した。市教委は今後もスクールカウンセラーの学校訪問日を増やすなどして、生徒たちの心のケアにも取り組むとしている。