凶器は“ハンマー”か… 会社役員の男性殺害で捜査本部設置 4月には金庫盗まれる被害も【新潟・上越市】

6月1日夜、新潟県上越市で会社役員の男性が自宅の駐車場で頭から血を流して倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。警察は捜査本部を設置し、殺人事件として捜査しています。

2日午後4時ごろ、上越署に捜査本部が設置され、記者会見が開かれました。

【新潟県警 大澤宜夫 刑事部長】
「殺人事件と判明したことから本日上越警察署に刑事部長を本部長とする132人態勢の捜査本部を設置した」

事件現場となったのは、上越市大貫にある住宅の駐車場。

【近くの住民】
「言い争う声が聞こえる。殴るような音がした」

1日午後7時45分ごろ。近くの住民からの通報で警察が現場に駆けつけたところ、この家に住む会社役員の中村礼治さん(62)が頭から血を流した状態で見つかり、その後、死亡が確認されました。

現場となった高田駅から南西方向に1.2kmほど離れた場所で閑静な住宅街の一角にあります。

【記者リポート】
「事件現場とみられる住宅では、規制線やブルーシートが張られています。先ほどから警察官が出入りするような姿が見られます」

【新潟県警 大澤宜夫 刑事部長】
「司法解剖を終えていないため、死因については明らかになっていないが、頭部に殴打されたような傷が複数あり、出血していることから、これからが死因である可能性が高く、何者かに殺害されたものと認められる」

警察は中村さんが頭頂部などを鈍器のようなもので複数回殴られたとみて、現場から走り去った中肉中背で黒っぽい服を着た人物の行方を追っています。

目撃者の証言などから凶器とみられているのが…

【近所の人】
「ハンマー。『重いのね』と言ったら、(警察が)『そうそう』と言うから」

捜査関係者などによりますと、大きなハンマーのようなものを持った人物の目撃情報が警察に寄せられているということです。

そして…

【近所の人】
「本人が仕事を終えて帰ってきた午後9時前後に窓ガラスが1枚割られて、金庫がなくなったというようなことが分かって警察に通報した」

今年4月ごろ、中村さんの住宅から「金庫が盗まれた」と警察に相談があり、警察は今回の事件との関連を調べています。

普段はおとなしく、トラブルなどもなかったという中村さん。

【記者リポート】
「中村さんは約30年前から10年間ほど、あちらの工場を借りる形で自転車の修理業を営んでいたということです。近くに住む人は『会えば挨拶をする気さくな人だった』と話します」

【近所の人】
「朝の挨拶だけは、気さくに目が合うと『おはようございます』と私たちにしていた。気さくな人」

中村さんに1日、車の修理を依頼したという人は…

【車の修理を依頼した人】
「人当たりのいい人だった。口数が少ないし、おとなしそうな感じだった」

Q.1日は特に変わった様子もなく?
「なかった」

2日朝も広い範囲で規制線が張られていた事件現場。

犯人が逃走しているため、2日市内の小中学校13校が臨時休校となるなど、近隣住民には不安が広がります。

【近所の人】
「犯人が捕まらないと怖い」

【近所の人】
「不安。小さい子が2人いるし。嫁さんもいて」

警察はパトロールや通学路の見守りを強化する方針です。

【新潟県警 大澤宜夫 刑事部長】
「不審なものとか車とかがあれば、遠慮せずに110番。上越署にすぐ通報いただきたい」

捜査本部によりますと、中村さんが発見された時、自宅の駐車場で服を着た状態で倒れていて、頭に複数回殴られた痕がありました。

目撃情報からハンマーのようなもので殴られた可能性があるということですが、捜査本部の会見では、具体的にどのような凶器なのか、また現場周辺で見つかっているかどうかなど明らかにしていません。

また、死因についても司法解剖が終わっていないので判明していません。

近所の人からの通報ですが、「屋外で言い争う“男性”の声が聞こえた」との内容だったということです。

警察は犯人が1人なのか、あるいは複数なのかも含め、あらゆる可能性を視野に捜査しているということです。

そして4月ごろ、中村さんの自宅で金庫が盗まれたという情報がありますが、警察は今回、自宅の中に第3者が侵入した痕跡があるかどうかについては、今後の捜査に関わるとしてコメントできないとしています。

現場周辺に住む人からは「犯人がまだ近くに潜んでいるかもしれない」などと、不安の声が多く聞かれました。

県警の山田知裕本部長は2日開かれた署長会議の中で「事件の犯人の一刻も早い検挙に努める」と話しています。