虫歯治療を受けた少女が重篤な脳障害に 歯科医のミス認定ながら執行猶予付きの判決

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アメリカの歯科医院で、患者の少女が発作を起こした。適切な処置を怠り重篤な脳障害を負わせたとして起訴されていた歯科医に、執行猶予付きの判決が言い渡されたという。『New York Post』『Click 2 Houston』などが伝えている。
2016年1月7日、テキサス州在住の母親とその娘である少女(当時4、以下少女)は、虫歯治療のためとある歯科医院を訪れたという。少女を担当した歯科医の女(46)は抜歯が必要と判断し、そのための鎮静剤を投与したところ、少女が発作を起こした。
海外の多くの国では、歯の治療で不安を覚える患者がほぼ眠った状態で治療が受けるため、鎮静剤を用いた局所麻酔が利用可能だ。
歯科医は少女の発作を抑えるため精神安定剤を投与するも、状態は悪化するばかりだった。結局、歯科医が救急車を呼んだのは、発作が起こってから5時間後だった。
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搬送先の病院の医師によると、少女はすでに手の施しようのない状態だった。無酸素状態が長く続き、脳が重大な損傷を受けて失明したうえ、自力で歩行や食事ができず、意思疎通もできない状態だという。
その後、少女は自力で呼吸はできるものの、目立った回復をすることなく、現在も24時間にわたり医療ケアが必要な状態だ。
歯科医師会によって、この歯科医の歯科医師免許は取り消し処分になった。逮捕されたのは事故から1年後だったが、逮捕数日後には保釈金を払って釈放されている。
しかし業務上過失致傷で起訴されると同時に、少女の家族から民事でも賠償を求める訴えを起こされた。
2022年10月に開かれた民事裁判では、元歯科医のミスが認められ、賠償金約140億円を少女の家族に支払うよう命じる判決が出た。
裁判の資料によると、少女に投与した鎮静剤が過剰な量だったため発作が誘発され、さらに別の薬物を追加したことで悪化。そうした状態になっても、速やかに適切な医療機関に連絡をしなかった女の過失が認定されたそうだ。
一方、刑事裁判では審理が継続していたが、最近開かれた裁判によって業務上過失致傷で有罪、執行猶予付き5年の判決が言い渡された。事実上刑務所行きは免れた形だ。
判決を受けて、少女の家族は「正義が果たされませんでした。歯科医は刑務所に行くべきです」などと、各社取材に答えている。