早くも冬への備えがスタートです。本格的な雪のシーズンを前に、新潟県長岡市では10月13日、道路上の雪をとかす消雪パイプの点検が行われました。
勢いよくあふれ出てくるのは、さびや砂によって茶色く濁った地下水。長岡市では、降雪期に備え、消雪パイプの点検作業が始まりました。
市の職員が消雪パイプから水を出し、パイプ内のさびや砂を洗い流したほか、ノズルがつまっている箇所がないが点検していきました。
【齋藤正昂アナウンサー】
「きょう始まった点検作業。実はこちらの市道は、全国の消雪パイプ発祥の地ということなんです」
1961年に長岡市の道路に初めて設置されて以降、全国に普及していった消雪パイプ。
この日は職員の手で作動させましたが、本格的な降雪期になる12月になると、自動で作動します。
【齋藤正昂アナウンサー】
「上にあるセンサーが雪を感知すると、制御装置が稼働。そして、井戸から地下水をくみ取って、消雪パイプから水が出るという仕組みになっています」
長岡市に設置されている消雪パイプの総延長は約1000km。この夏は雨量が少なく、消雪パイプに利用する地下水への影響も懸念されますが…
【長岡市 土木部道路管理課 桜井敏明 課長】
「今のところ、井戸に関して水位が少ないというような情報は入っていないので、心配ないと考えている」
とはいえ、有限な資源である地下水。長岡市では降雪量を細かく検知し、それにあわせて放水量を調節する節水型の消雪パイプへの移行も進めていて、地下水のより効率的な利用にも取り組んでいます。
【長岡市 土木部道路管理課 桜井敏明 課長】
「昨年のように一時的な大雪も考えられるが、節水を心がけながら、そういったときでも安定した水量を確保できるよう、しっかりと点検をしていきたい」
また長岡市は地下水の確保のため、私有地で利用する消雪パイプについても不要な時は止めるなど、節水への協力を呼びかけています。