目指すは日本版テスラ? チューリングが自社開発コンセプトカーを公開!

チューリングは「ジャパンモビリティショー2023」で初の自社開発コンセプトカー「Turing Machine Alpha」を公開した。ゆくゆくは年産1万台規模の自動運転EV(電気自動車)メーカーを目指すというチューリングだが、日本版テスラの誕生なるか? とりあえずは実車を確認してきた。

○実際に販売するクルマはEVセダンになる?

チューリング(本社:千葉県柏市)は「We Overtake Tesla」をミッションにかかげ、完全自動運転EV(電気自動車)の量産を目指すスタートアップ企業。世界で初めて名人を倒した将棋AI「Ponanza」の開発者である山本一成さんと、カーネギーメロン大学で自動運転を研究して博士号を取得した青木俊介さんが2021年に共同創業した会社だ。同社が掲げるマイルストーンは以下の通り。

2023年:100台生産に向けた自社工場設立、東京オフィス開設
2025年:工場設立、100台納車完了
2027年:完全自動運転EVの量産スタート
2030年:完全自動運転EV1万台の生産、上場

「Turing Machine Alpha」はチューリングが完成車メーカーになるために必要な車両の設計、制御、製造などのノウハウを獲得するために製作した同社初のコンセプトカー。自社開発のシャシやボディに加え、今後の製品への搭載に向けて開発中の「IVI」(In-Vehicle Infotainment)ディスプレイを採用している。

このクルマはコンセプトカーではあるものの、国の保安基準を通過させてナンバープレートを取得し、公道を走らせることが可能なレベルまで作り込んであるとのこと。ベースとなっている車両は日産自動車のEV「リーフ」だ。さまざまなコンポーネントをリーフから流用しつつ、シャシはオリジナルのパイプレームで組み直してある。屋根の代わり(?)に付いている黒い角のようなパーツが特徴的だが、その先端には自動運転や自動ブレーキに必須となるカメラを備えているそうだ。

2021年に創業した会社が、2023年には公道走行が可能なレベルのクルマを作ったと考えると、けっこうスゴい。大きな自動車メーカーだと、クルマの企画・開発にはもっと時間がかかるはずだ。チューリングにはソフトウェア系の人材のほか、大手自動車メーカーからもエンジニアが集まってきているとのこと。彼らの知見も取り入れつつ、スタートアップ企業のスピード感で自動車開発を進めた結果ということなのだろう。

次のステップは完成車100台の生産、販売だ。実際に売るクルマはリーフをベースに作るのではなく、自社で設計し、コンポーネントをサプライヤーから調達して作る完全なオリジナル車となるらしい。もちろん、屋根も付けるつもりだという。デザインは「ガラッと変わるかも」というのがチューリングの説明。ボディタイプは5人乗りのセダンで「和のイメージ」を取り入れたクルマにしたいとのことだった。