1月7日、大阪府阪南市で行われていた「はたちの集い」のイベントに松川虎生捕手の姿があった。周囲よりも一回り大きな身体。スーツの上からでも鍛え抜かれた筋肉を持ち合わせていることは目視できる。だから会場に足を踏み入れると注目の的となった。いろいろな人に声をかけられると満面の笑顔で応える。楽しそうな時間を過ごしていた。
「中学校の卒業式以来に再会した友達もいた。昔の話で盛り上がったりと、懐かしかったです。楽しかったです」と松川。
会は2時間ほどで終わったが、その後も会場の入り口付近で懐かしい友達たちと話し込んだ。もうすでに社会人として働いている友もいれば、大学生活を送っている友もいた。それぞれの道のいろいろな話を聞いた。話は尽きることはなかった。みんなが「応援しているよ」と言ってくれた。「いつも注目をして見ている」と話をしてくれた。
□ ■ □
「オフに地元に帰っても普通に歩いていますし、ショッピングセンターとかでも買い物とかをしていてもそこまで声をかけられることはないのですけど、今日は本当にいろいろな人に『応援しているよ』と声をかけてもらえた。幼稚園の友達も、小学校、中学校時代に一緒に過ごした仲間も、みんな見てくれているのだと思うとすごく力が湧いた」と話す。
ルーキーイヤーの2022年は開幕戦で新人ながらスタメンマスクを被ると佐々木朗希投手とのバッテリーで完全試合を達成し脚光を浴び、76試合の出場。しかし、さらなる飛躍が期待された2年目は首脳陣の2軍でじっくり育てる方針もあり、わずか9試合の出場に留まった。「1軍で試合に出られなかったのは悔しかった」と歯を食いしばった。高校時代にバッテリーを組んだベイスターズ・小園健太投手とも再会し、「お互い、今年が勝負だな。頑張ろう」と、エールを送り合った。小園もまたここまでのプロ2年でまだ1軍のマウンドを経験しておらず、悔しい想いを胸に秘めていた。
□ ■ □
楽しかったイベントを終えると、実家で荷造りを行い、翌8日には自主トレのため愛媛県松山市に向かった。地元で過ごした時間は決して長くはなかったが、友のいろいろな想いを耳にして原点回帰することができた。そして優しく背中を押されているような気持ちになった。「キャンプからアピールをしてレギュラーを取れるように頑張ります」と松川。2024年、勝負の3年目へ。オフに笑顔で地元に戻れるように、ガムシャラな日々を過ごす。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)