能登半島地震で液状化の被害が大きかった新潟市西区では、下水道が復旧していない地域もあり、店舗の営業にも支障が出ています。
【桶屋美圭アナウンサー】
「特に被害の大きかった新潟市西区寺尾地区。アスファルトが粉々に砕けてしまっていますが、地震から3週間経った今も被害の爪痕が色濃く残っています」
液状化による大きな被害を受けた新潟市西区。
連日、復旧作業が加速していますが、いまだ被災者を悩ませているのが下水道への被害です。
【ヘアアートフジ 安藤哲史 店長】
「水は出ない。当然、配管も全部根本から切れたので、全く何も使えない状態だった」
こう話すのは、ヘアアートフジの店長・安藤哲史さんです。
地震によって建物自体が1mほど沈み、本来、地続きだった道路と駐車場の間にも大きな段差が…その影響で配管もむき出しになり、2週間ほどシャンプー台が使えなかったと言います。
【ヘアアートフジ 安藤哲史 店長】
「1台だけどうにか業者にお願いして、ここだけ水とお湯が出るようにしていただいた」
今は修復した1台のみで営業していますが、残り2台とトイレは使用できないままです。
【ヘアアートフジ 安藤哲史 店長】
「流そうと思えば流せるが、どこかで詰まってしまっている。結局、あふれてしまったりするとダメなので、結果的に流せない」
そのため、現在は月3万円で仮設トイレを借りて、店の外に設置しています。
【ヘアアートフジ 安藤哲史 店長】
「直したくても直せない状態が続くかもしれないと聞いているので、1年間この感じかもしれない」
これに加えて、建物自体も最大で14cmの傾きが生じているため、全てを修復するには1000万円ほどかかる見込みです。
【ヘアアートフジ 安藤哲史 店長】
「金額が金額なので。工事を先走ってやって、実は補助が足りなかったということも考えられるので、壊れている具合が早く確定するというか、どの程度でどういう補償なのかという明確なところがほしい」
それでも常連客からの励ましの声もあり、ようやく現実を受け入れられるようになってきたという安藤さん。
【ヘアアートフジ 安藤哲史 店長】
「寺尾地区が一番被害もあるみたいだから、元気じゃないけど、『床屋さん頑張ってるな』とか気にしてもらえたら」
地震の被害に負けず、復旧に向け歩み始めています。