新課程の共通テスト模試、超ハードな時間割が「もはや科挙」と物議 河合塾に事情を聞くと…

去る1月13、14日に大学入学共通テストが実施された。これにてひと段落…と言いたいところだが、多くの受験生にとってここからが受験シーズン本番である。
ところでX(旧・ツイッター)上では、新課程となる共通テスト模試の時間割が「エグすぎる」と話題になっているのをご存知だろうか。
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今回注目したいのは、Xユーザー・みょーいさんの投稿したポスト。
「新課程の共通テスト模試、えぐい。拷問すぎるこれ」と、穏やかでないフレーズの並んだ投稿には、高校2年生を対象とした模試の時間割と思われるタイムスケジュールの写真が添えられていた。
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入室時刻が午前8時で、最後の「情報」試験終了は午後8時20分を予定。つまり細部で休憩が発生するとはいえ、ほぼ12時間「ぶっ続け」で模試を受けることとなるのだ。

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共通テストから日も経たない16日に投稿されたポストは、7,000件以上ものリポストを記録するほど大きな話題に。
他のXユーザーからは「これもう科挙だろ」「地獄のようなスケジュール」「流石にこれは集中力がもたない」「2日に分けて、本番に近い環境で実施した方が良いと思う」など、疑問の声が多数寄せられていた。
ちなみに、ポスト投稿主・みょーいさんは「旧課程」での共通テスト受験者だという。

発見時の感想について、みょーいさんは「時間割の過酷さに驚き「自分のときでさえしんどかったのに大変だな」と、新課程受験者に同情しました」「個人的に、共通テスト模試は他の模試に比べて非常に集中力を要するものと思っているので、賛否両論ありますが本番通り、2日に分けて実施の方が実力が発揮されるのではないか…と感じました」と振り返っている。
そこで今回は、波紋を呼んだ模試の時間割をめぐり、学校法人「河合塾」に詳しい話を聞いてみることに…。
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新課程の共通テスト模試、えぐい。拷問すぎるこれ。 pic.twitter.com/rRYg2cegJA
みょーい (@Dr_Reiton) January 16, 2024
ポスト本文にもあるように、2025年より実施される共通テストは「新課程」へ再編される。
前年度からの変更点について、河合塾の担当者は「現高校2年生が受験する『大学入学共通テスト』は、新たに『情報』科目が出題されるなど、新教育課程への移行に伴う変更点が多くあります」「そのため、当塾『全統共通テスト高2模試』におきましても、3点の変更にて対応しております」と説明する。
変更箇所は、新規科目となる「情報」(60分)の出題。そして「数学2」試験時間が60分から70分に、「国語」試験時間が80分から90分に延長した点である。
変更点のみ見ると「時間がいきなり80分も増えたのか…?」と驚いてしまうが、河合塾担当者は「科目の追加などによる生徒への負荷増大を最小限にとどめるため、時間割を文系と理系に分けるなどの工夫を行ない、昨年度からの試験実施時間の延長は20分に抑えております」と、補足していたのだった。

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前年と比較して「20分の延長」と聞くと、肩透かしを食ったような思いである。しかし文字通り「1日の半分」を要する点を考慮すると、多くのXユーザーが指摘したように、やはり「2日に分けての実施」とするのが得策に感じられるのも事実。
こちらの疑問を受け、河合塾の担当者は「共通テスト模試につきましては試験時間が長時間におよぶため、2日間実施などのご要望を承ることもありますが、模試受験のために2日間の予定を確保することが難しい受験生もいらっしゃると考えています」と説明する。

続けて「2日間実施とした場合、会場確保の理由により提供できる試験会場の数が減少し、受け入れられる受験生の規模が縮小してしまいます。1日実施による長時間受験のご負担は時間割の変更などの工夫により最小限に抑制したうえで、当塾としましては、1人でも多くの受験生に模試の受験機会を提供したいとの思いから、1日で実施させて頂いております」と、河合塾としての方針を語ってくれたのだ。
今回の模試の実施基準日は1月28日。受験を予定している高校2年生は、万全の体調で臨んでほしい。

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秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。