私たち人間の安全な生活のために、日々働いている警察犬。
優れた嗅覚を生かして足跡をたどったり、危険な人物やものを発見したりしてくれます。
そんな警察犬が実際に仕事をする現場を見られる機会は少ないのではないでしょうか。
アメリカのフロリダ州で、11歳の少女が行方不明になりました。
『ヒルズボロ郡保安官事務所』によると、少女が危険にさらされている可能性があることから、サラ・アーンステス保安官代理と警察犬のメアリー・ルーちゃんがすぐに少女の家の近所まで追跡を開始。
そこで、住民が少女を近くの集合住宅まで送っていったことが分かります。
アーンステス保安官代理たちが急いでその地域に向かうと、メアリー・ルーちゃんが公園で少女の匂いをたどり始めました。
日が暮れた公園に人の姿は見えません。しかし、メアリー・ルーちゃんは確かな足取りで公園の中に入って行きます。
そして、公園のトイレの前でメアリー・ルーちゃんが足を止めました。
トイレのドアには鍵がかかっており、中の様子は分かりません。
しかしその時、しっぽを振り始めたメアリー・ルーちゃんを見たアーンステス保安官代理がこういいます。
「『ハッピーテール』をしているわ。この子がそれをするのは誰かの近くにいる時だけよ」
そういって彼女はトイレに向かって「ここには女性警官の私と犬、もう1人の警官しかいないから大丈夫よ」と説得し始めます。
するとトイレの中から出て来たのは…。実際の映像をご覧ください。
トイレに隠れていたのは、彼女たちが探していた少女でした。
少女がメアリー・ルーちゃんに近付くと、メアリー・ルーちゃんは「無事でよかった!」というように嬉しそうに彼女に抱きついたのです。
こうして少女は無事に保護されて、家族の元に帰ることができました。
緊迫感が伝わるこのボディカメラの映像には、「見事なチームワーク」「警察犬ってすごいな」「犬が少女にハグをするところがいいね」など称賛の声が上がっています。
犬の嗅覚は人間の数千倍から1億倍まで嗅ぎ分けられるといわれます。
あらゆる匂いが存在する場所で、残された特定の匂いだけをたどり、誰かを見つけることができるのは厳しい訓練の賜物なのでしょう。
すべての警察犬に対して、敬意と感謝を示したくなりますね。
[文・構成/grape編集部]