千葉県は21日、飲酒運転をした上で物損事故を起こしたとして柏児童相談所の児童福祉司、香取和也職員(39)を懲戒免職とした。香取職員は妻で県立病院の看護師(38)に身代わりを依頼しており、妻は県警に虚偽の通報を行ったことから、県は妻も停職1カ月の懲戒処分とした。
県によると、香取職員は1月12日夜、同僚2人と柏市内の居酒屋でビール1杯とレモンサワー3杯を飲んだ後、軽乗用車を運転して帰宅し、途中だった翌13日未明、香取市内でガードレールに衝突する物損事故を起こした。さらに、自宅にいた妻に電話で身代わりになるよう依頼。妻が乗ってきた車で先に帰宅し、妻が現場で香取署員に「柏市内で友人と食事をして帰宅中に事故を起こした」と虚偽の通報をした。
ドライブレコーダーの映像の捜査から身代わりが判明。香取職員は道交法違反(酒酔い運転、当て逃げ)と犯人隠避教唆の疑いで、妻は犯人隠避と道交法違反(当て逃げ)ほう助の疑いでそれぞれ4月8日に書類送検された。
県の聞き取りに、香取職員は「飲酒後は普段、車中泊しており、今回もその予定だったが、毛布を忘れた。寒かったので運転して帰れると思った。周囲に迷惑をかけ後悔している」と反省。物損事故の際は居眠り運転をしていたという。妻は一度身代わりを断ったというが「飲酒運転で事故を起こせば大変なことになると思い、身代わりを決めた。申し訳ない」と謝罪している。
県人事課は「県飲酒運転根絶条例の下、飲酒運転の絶対禁止について職員一丸となって取り組んでいる中で、職員がこのような事件を起こして県民に申し訳ない。今後も飲酒運転の絶対禁止に努める」と述べた。