他人の戸籍謄本を不正に取得したとして金沢市の行政書士が6カ月間の会員権停止処分となったことが分かりました。不正の発覚は、本人通知制度によるものでした。
処分を受けたのは金沢市の小関裕一行政書士です。石川県行政書士会や小関行政書士などによりますと、愛知県内の女性から「婚前契約書を作成してほしい」と依頼され、女性の交際相手の男性に離婚歴などがないか調べるため、今年2月ごろ、男性の戸籍謄本を取得したということです。
戸籍謄本は第三者が自由に取得できませんが、弁護士や行政書士など一部の資格を持つ人は「職務上必要な場合」に限り取得することができます。
しかし、小関行政書士の請求理由は身元調査など人権侵害の恐れがあるため、日本行政書士会連合会の規則に違反していたということです。
今回、戸籍謄本に名前があった男性の元妻が「本人通知制度」を利用していたことから被害が発覚し、石川県行政書士会は、7月16日付けで小関行政書士の会員権を6カ月停止する処分としました。
小関行政書士は取材に対し「県行政書士会にすべて説明したので何も話すことはない」とコメントしています。
本人通知制度とは、市町村が戸籍謄本や住民票の写しなどを第三者に交付した際、希望する人に知らせる制度。今回、この制度があり被害が発覚しましたが、事前に登録しなければなりません。
また石川県内ではこの事前登録型の本人通知制度を導入している自治体はないため、今回のような被害があっても発覚しなかった可能性があります。