市川市動植物園(大町)で長年愛されたメスのスマトラオランウータン、スーミーが死んだ。推定35歳。季節の変わり目に体調を崩したという。31年前から同園で暮らし、3頭の子をもうけたママでもあった。同園によると、スーミーの死で、国内の動物園にいるスマトラオランウータンは10頭だけとなる。
スーミーは1992年6月、オスのイーバンとともに市の姉妹都市であるインドネシアのメダン市から“親善大使”として来園。イーバンとの間にウータン(19歳、オス)、リリー(12歳、メス)、ポポ(5歳、メス)と3頭の子をもうけ、育ててきた。
物怖じせず、人が近づくのは気にしないが、写真に撮られるのは苦手だったスーミー。いつも丈夫で元気な姿に異変が起きたのは4月半ば。急に食欲がなくなり、いったん改善したものの再び悪化、4月29日に敗血症による多臓器不全で死んだ。
同園によると、動物園で飼育されるオランウータンとしては長く生きたが、自然界での平均寿命には及ばず。「40歳まで頑張ってほしかった。ショック」と飼育関係者。園では5月2~14日、献花台を置き、スーミーに親しんだ多くの来園者が悼んだ。6月5日の休園日には田中甲市長らが献花に出向くという。