「暑熱順化」に「タンパク質」!熱中症に負けない体を作ろう!

TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月~木曜日の11時から放送中!
6月7日(水)
お話を伺うのは…生活は踊る”月1レギュラー”、医療ジャーナリストで医師の森田豊さんです!
テーマは、医学的見地に基づいた、梅雨の季節に知ってほしい情報6月に入りました。梅雨入りしている地域もあり、気温の変動が続いていますよね。この季節に特に気をつけたいのは、「熱中症」「カビによる肺炎」です。今日は医学的見地に基づいて、この2つの病気に負けない対策や、体作りをするコツを紹介したいと思います。
「医学的見地に基づいた、梅雨の季節に知ってほしい情報」
熱中症については何度も取り上げていますが、①喉が渇く前からこまめな水分補給②汗をたくさんかいたら塩分も補う③脱水になりかけていたり、めまい、立ちくらみ、こむら返りなどの症状が出始めたら、経口補水液を飲む。などの対策が大事です。
体の部位で冷やす場所は、太い血管がある、首、脇の下、太ももの付け根。最近では、血管がたくさんある「手のひら」を冷やすことも推奨されています。さらに、朝食を取っていないとき、睡眠不足のとき、夜間にエアコンの使用を控えている人などにも熱中症のリスクが高いことが知られています。この季節は、汗をかく働き、汗腺の働きがまだ夏モードになっていない人が多いんです。そこで、サラサラの汗をかける練習をしておけば、本格的な夏になっても、皮膚の表面の汗を蒸発させ、気加熱を奪わせることができますね。水分・塩分も補給しながら、汗をかく練習することを「暑熱順化」といいます。 「暑熱順化」のやり方は・・・
・お風呂やサウナで汗をかく(シャワーでは済まさずに浴槽につかって、しっかり汗をかきましょう)・ややきつめの運動をする・暑い時間を避けて、ウォーキングやスイミングなどの有酸素運動がオススメ暑熱順化していて熱中症になったら元も子もないので、水分・塩分を補給しながらやりましょう。夏までに暑熱順化をして、対策していきましょう!
また、汗をかく練習すなわち「暑熱順化」をした後に、食べたり飲んだり、摂取した方がいいものが「タンパク質」汗をかいた後に「タンパク質」を多く含むもの、例えば牛乳、豚肉、鶏肉、大豆などを摂取すると、血液の量が多くなり脱水になりにくい・熱中症になりにくい体になることがわかっています。特に牛乳は飲みやすく運動後にオススメですが、乳糖不耐症といって牛乳をうまく消化できない人は、別の方法でタンパク質を取ってください。
暑熱順化で体を慣れさせるのに1~2週間、熱中症になりにくい体になるまでに3~4週間ほどかかるので、この季節にやっておきましょう!
最近注目されている病気にこの「夏型過敏性肺炎」というものがあります。肺炎は、細菌やウイルスが原因で生じることが知られていますが、アレルギーによっても起きることが確認されています。その原因の8割は「カビ」と考えられています。症状の特徴は主に3つです。
①夏の間、特に家にいると咳が出る。毎年、この季節に咳が出る。②旅行などで数日でも自宅を離れると症状がおさまる。③秋になって涼しくなると咳も止まる。 30代~50代の女性に比較的多いことが知られています。カビが原因で起こるアレルギーによる肺炎で、カビをなん度も反復して吸い込むうちに、肺の奥にある「肺胞」というところでアレルギー反応が生じて、肺炎となる例があります。
エアコンのフィルター、浴室の天井、カーペット、布団などに付着したカビを退治することが大切です。症状に心当たりがあったら、呼吸器系内科の専門医を受診して、どんなときに咳が出るかをよく話して、アレルギーを抑える薬を処方してもらいましょう。重症の患者さんでは、引っ越ししてはじめて症状が改善したという人もいます。日本の家は木造が多いので、木にカビがこびりついてしまうからだと思います。エアコンのフィルター掃除は、多くの業者が2週間に1回を勧めているほどなので、気になる方は対策をしてみてください。
これからの季節ではないのですが、森田先生から注意して欲しいことがあるそうです。
先生は6月18日で60歳・還暦を迎えるんですが、研究論文を探していたら誕生日の日に命を落とす人が多いという統計が、スイスや大阪大学から発表されていました。▼脳卒中や心筋梗塞になる人が誕生日に多い傾向にあり、その原因として、はしゃぎすぎたり、お祝いで普段と違う行動パターンをとる などが背景にあるようです。今年の6月18日は大人しく家で過ごそうかと思います。