2023年5月、真夜中に名古屋・栄のど真ん中をジャックして映画の撮影がありました。2024年春に公開される予定の、名古屋を舞台にしたミュージカル映画「はじまりの日」。主役は若き歌姫と、かつてのロックスターです。 真夜中の栄で歌う若き歌姫と、今池のライブハウスで歌うロックシンガー。
名古屋を舞台にしたミュージカル映画「はじまりの日」。2024年春の公開に向けて2023年5月12日、栄のど真ん中でダンスシーンが撮影されました。
名古屋出身の日比遊一(ひびゆういち)監督。20代でニューヨークに渡り、写真家として活動しながら映画を作ってきました。日比遊一監督:「30人ぐらいのダンサーと主人公が出ます。見ていてください。でも地味な作業だからね、終わるのはたぶん朝ですよ」
日比監督が名古屋で映画を撮る理由。日比監督:「僕35年も海外にいるので、久しぶりに帰ってきた時に、テレビ塔がものすごく変わっていてびっくりしたんですけど。生まれ故郷である名古屋を舞台に、熱田神宮だとか名古屋城もいいんですけど、ああいう偉人が作った聖地もいいんだけど、新しい自分たちの時代の聖地をこの映画を通して作りたいなと」
今回の映画は、清掃員をしながらスターになることを夢見る女と、かつてスターだった男の物語です。 歌姫を演じるのは、映画初挑戦の遥海(はるみ)さん。
そして年老いたロックシンガーを演じるのは、中村耕一さん(72)。1990年代、紅白歌合戦にも出場したバンド、元JAYWALKのボーカルです。
遥海さん:「耕一さんと一緒に歌うのがもう楽しくて。なんか目を見てるとニヤニヤしちゃうし。でも背中見ちゃうと、なんか泣きそうになっちゃうんですよね」中村耕一さん:「十数年前にちょっといけないことがありまして。それで僕は名古屋に引っ越してきて、名古屋に住むようになったんですけど。(役柄は)半分ぐらい僕ですね。実話に近いところもありますし」日比監督:「僕が強引に『やってくれませんか』と。あの声の持ち主、声量の持ち主であることとか、他の既成の俳優さんではできないものが、もしかして映画の中に刻みこめるかなと思って」 クライマックスの舞台は、今池のライブハウス「ボトムライン」。中村さんが普段歌っているステージです。
この日の、撮影後…。日比監督:「日本のミュージカル映画なんて少ないじゃないですか。だからぜひとも劇場で見てください。応援のほどよろしくお願いします」中村耕一さん:「映画の撮影期間中、ライブやってなかったものですから、息が切れる。もう1曲やらせてください」 JAYWALKの「何も言えなくて…夏」を、集まったエキストラにサプライズで披露しました。
中村耕一さん:「本当に一発撮りでライブ感を出してやろうという話だったので、すごい恐かった」
日比監督:「歴史上、常に何か悲しいこととか、今回のコロナでもそうですけども、人類は何かやっぱり歌で救われてきたところがあると思うんですよ。そういったところで何か元気をもらうような、そういう映画になればなと思っています」