『トゥレット症の息子を持って』酒井隆成さん(23)の父が綴る”子育て”手記公開 #変な人、もう言わせない。~僕と時々もう1人の僕~

自分の意思に反して体が動いてしまう「トゥレット症」と闘う酒井隆成さんの父親・酒井富志也さん(57)が、CBCテレビに子育てに綴った手記を寄せてくれました。
(酒井富志也)この度はこのような機会を頂き、本当に感謝しております。中々トゥレットの子を持つ父親の方の取材が出来ないとの声を聞いて、この機会に率直にお話をさせて頂きます。
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息子がトゥレットを発症した当時、私は仕事も充実しており、それこそ24時間働けます!の企業戦士でした。どんどんと忙しくなり、ほぼ家のことは家内に任せて海外を飛び回る日々。家内が病院で息子の相談をしても全く相手にされなかった事も、どれほどの事がこれから待ち受けているのかについても、全く想像もしていませんでした。そんな中でどんどんと酷くなる息子の症状。私自身の人生において大きな転機となる人たちとの出会いをもたらしてくれたのは、他でも無いこのどうしようもなくひどい症状でした。
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私が途方に暮れるほどの症状でしたが、客観的且つ的確に、また親身になって相談に乗ってくださる方々と触れ合う度に、その方々の信念や力強い生き方を感じ、こう言う生き方もあるんだと、気付かされました。
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何よりひどい症状の息子本人がテレビの取材で”こんな生き方が有るんだ!と、同じ病気で苦しむ人の背中を押してあげたい”と言うメッセージに親ながら共感し、共にこの思いを成就したいと強く思うようになりました。そう思えるようになってからは、息子の成長と共に自分も成長しているんだと実感しています。トゥレットで苦しんでおられる方々の少しでも役に立てるのであれば、取材も喜んでお受けしますし、色んな勉強もします。それによって新たな方々との出会いにもつながり、また成長へとつながって行きます。
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息子のトゥレットが私自身の人生を豊かな物にしてくれているんだと思えればこそ色んな活動にも参加しますし、取材にも応える事が出来ます。逆に社会がトゥレットはその人の個性、と受け入れてくれる時が来たならば、この事に気付かせてくれた息子に親としての務めを果たせる事になるのだろうと思っています。トゥレットのお子さんのお父さん、お子さんと向き合う事でご自身にもきっと素晴らしい毎日が待っています。お子さんはあなたの理解と愛情があればきっと素晴らしい人生を歩む事が出来ます。是非皆で一緒に歩いて行きましょう!それを決めるボールはお父さんの手の中に有るのですから。
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