すごすぎる天気の図鑑 雲の超図鑑 第2回 【想像できる?】雷雨をもたらす積乱雲、プール何杯分の水が含まれている?

今年もいよいよ梅雨の大雨や台風が話題になるシーズンに。天気予報を参考にしたり、空の様子を見て「そろそろ雨が降るかも?」と思ったりすることも増えそうです。そんな天気が気になる季節、数ある大気現象のなかでも観察しやすく、さまざまな姿を見せてくれる「雲」に迫った書籍が出版されました。

シリーズ累計40万部『すごすぎる天気の図鑑』シリーズ最新作、『すごすぎる天気の図鑑 雲の超図鑑』(2023年3月発売・KADOKAWA刊)より、一部を紹介します。

“雲研究者”荒木健太郎先生による雲の知識と最新の研究結果を盛り込んだ一冊、読めば空の様子や天気予報がより面白くなるかもしれません。

全5回の連載、第2回は「じつは雲はすごく重い」です。
じつは雲はすごく重い
雲は空にふわふわと浮かんでいて、軽そうなイメージがありますよね。しかし、じつは雲はすごく重いのです。

雲のなかの水の重さを表す量として、雲水量(単位はg/)があります。雲の種類によって雲水量の値は異なり、低い空の霧っぽい雲(層雲)なら0.05~0.25g/、モクモクしているわた雲(積雲)なら0.25~0.30g/です。たとえば、雲の大きさを1k(一辺の長さが1㎞の立方体)とすると、そこに含まれる水の重さは積雲で250~300トン(1トンは1000㎏)にもなるのです。

さらに、雷雨をもたらす積乱雲は高さ十数㎞にまで発達します。レーダー観測で積乱雲のなかの水の重さを調べた研究によると、非常に発達した積乱雲のなかには最大で600万トンの水が含まれているそうです。これは、なんと25mプール約1万杯ぶんの水と同じなのです。

ありふれた積雲でも数トンの重さだと考えると、自然の大きさに圧倒されますね。

※一般的な25mプールは幅16m、深さ1.5mで、水量は600トン
背の高い積乱雲
雲の豆知識
一般的な家庭のお風呂だと、浴槽に入る水の重さは約200㎏です。一辺が100mの立方体の大きさの小さい積雲を考えた場合でも、その重さは250~300㎏。これは、浴槽に入れたらあふれてしまう量なのです。

なお、荒木先生のYouTubeチャンネル「荒木健太郎の雲研究室」では動画での解説を見ることもできます。

「『雲』を誰より深く知りたいときに読む本」
『すごすぎる天気の図鑑 雲の超図鑑』(KADOKAWA刊)
著者:荒木健太郎、定価:1,375円(電子版もあり)

『すごすぎる天気の図鑑』シリーズから飛び出した、スピンオフ企画!
数ある大気現象のなかでも観察しやすく、さまざまな姿を見せてくれる「雲」にフォーカスした、「雲のすべて」に迫った一冊です。
超詳しいけど誰でもできる「雲の見わけ方」をはじめ、雲の色や寿命、積乱雲の意外な性格、難しい雲の予報など、これを読めばあなたも立派な雲研究者。
雲が描かれた絵画や「雲」がつく言葉など、文化的な側面も取り上げ、ますます充実の雲本です!

⇒Amazon.co.jp『すごすぎる天気の図鑑 雲の超図鑑』

⇒公式サイト『すごすぎる天気の図鑑』

荒木健太郎 あらきけんたろう 雲研究者、気象庁気象研究所主任研究官、博士(学術)。1984年生まれ、茨城県出身。慶應義塾大学経済学部を経て気象庁気象大学校卒業。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲のしくみの研究をしている。 映画『天気の子』気象監修。MBS/TBS系『情熱大陸』など出演多数。主な著書に『すごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)、『世界でいちばん素敵な雲の教室』、『雲を愛する技術』、『雲の中では何が起こっているのか』などがある。 この著者の記事一覧はこちら