コロナ禍前の賑わいを取り戻しつつある名古屋の繁華街「錦三（きんさん）」で、ぼったくりの被害が急増しています。実際に夜の街を歩くと、客を店に誘う「客引き」の手口が巧妙になっていました。
高額料金請求の相談急増！すでに去年の3倍に 禁止の「客引き」…の画像はこちら >>
6月22日の木曜日、夜の「錦三」を記者が歩くと…。（客引き）「何か、お探しないですか?」すぐに声をかけてきたのは「客引き」です。記者は次々に声をかけられます。（客引き）「1軒どうですか?」（記者）「何屋ですか？」（客引き）「飲み屋です。50分3000円で飲み放題。うち前金制なんで、ぼったくりも何もできない」
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そもそも「錦三」を含む栄地区では、名古屋市の条例で客引きが禁止されていますが、今も当たり前のように客引きが行われているのです。ただ、その方法が変わってきています。これは2021年、夜の街を取材したときの様子。（客引き）「夜だったら『飲み』と『おっぱい』と『抜き』がある。40分8000円なんですけど、大体（の金額）でいいんで」この時は誘い文句に直接的な表現が使われることも少なくありませんでした。
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それが今は…。（客引き）「キャバクラ50分7000円、タックス入れて9000円。70分4000～5000円で交渉します」（別の客引き）「今から交渉するんですけど、もしかしたら70分6000円でもいけるかも」摘発を逃れるため、直接的な表現はほとんどなくなり「自分を通すと料金がお得になる」とアピールします。でも、よく確認すると…。（記者）「追加料金がかかるものは？」（客引き）「（別料金は）女の子のドリンクだけっすね。それも、かわいかったら出せばいいし」（記者）「女の子のドリンクは、どれくらいかかる?」（別の客引き）「1000円・2000円・3000円」セット料金とは別に女性キャストのドリンク代がかかると言います。
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警察は悪質な客引きによって、ぼったくり被害に遭うケースがあるとして注意を呼び掛けています。2023年1月「錦三」でぼったくり被害に遭った50代の男性は、客引きの女に「1万3000円より安くする」と声をかけられて店に入りましたが…。（ぼったくり被害に遭った50代男性）「出てきた伝票が（5人で）66万円でした。青ざめましたね、正直。酔いが全部吹っ飛んだような感じで」警察によりますと、このような高額料金トラブルの相談が錦三を中心とした栄地区では、2023年3月以降に急増していて、61件寄せられています。これは既に去年1年間の22件の約3倍です。客引きによるトラブルを防ぐため、先週、警察官約70人が繁華街でパトロールを実施。さらに…。（報告：牧野恵美記者）「ぼったくり防止条例違反に基づき、中区栄のビルへ営業停止の行政処分に入ります」愛知県の公安委員会は、2022年11月に未収金の回収目的で客を蹴るなどした疑いで、従業員などが逮捕された栄のホストクラブ「OTONA（オトナ）」に営業停止の行政処分を行いました。
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愛知県警では全国で唯一、ぼったくり防止条例に違反し行政処分を受けた店舗を公表していて、県警のアプリやHPで確認することができます。錦三を安全な街にしようという地元の団体は。（錦三の都市景観をよくする会 山本恭久会長）「（錦三は）繁華街として名古屋の一つの顔。皆さんが楽しく食事をし、お酒を飲める。そんな街になってほしい」警察は、今後も悪質な客引きの取り締まりに力を入れていく考えです。