〈千葉・バラバラ女性遺体〉「母親を殺し解体した」「霊媒師になるために必要だった」父は一流企業エリート、逮捕された娘(45)はヨガ・ズンバ講師…趣味はダイビング・ロードバイク…怒鳴り声の絶えなかった一家

千葉県市川市南行徳のマンションで6月28日、解体された遺体が見つかり、千葉県警は出頭してきた同マンションの住人で職業不詳、新かほり容疑者(45)を死体損壊・遺棄の疑いで逮捕した。遺体は容疑者と同居している70代の母親とみられ、県警は身元の確認を急いでいる。
県警によると同日午前11時ごろ、新容疑者が親族を伴って自宅近くの交番を訪れ「母親を締め殺した」などと説明し、警察官が現場に急行。同45分ごろマンション自室の浴室内で、浴槽内に大腿骨や頭部などバラバラになった遺体が入ったビニール袋が十数個あるのを発見した。新容疑者は「母親を殺したあと、解体した。霊媒師になるために必要だった」などと供述しているという。遺体は性別や年齢も判然としないほどバラバラに切断されており、県警は司法解剖で死因などを詳しく調べている。
現場マンション(撮影/集英社オンライン)
現場は東京メトロ東西線南行徳駅の南約650メートルの住宅街にあるマンション。近所の人によると、事件のあった2階の部屋は7~8年前に高齢の夫婦が入居して暮らしていたが、途中で男性がいなくなり、代わりに新容疑者が入居して2人で暮らしていたという。新容疑者は都内などの有名スポーツジムでヨガのインストラクターを務め、ラテン音楽とダンスを組み合わせた「ズンバ」というフィットネスプログラムのクラスも担当していた。1週間ほど前に「ズンバ」の指導を受けた女性は「普段通りで変わった様子はなかった」と話す。
新容疑者(本人SNSより)
登記簿謄本によれば同室は約65平方メートルで、新容疑者の父親とみられる男性が2015年に購入し、2019年8月に母親とみられる女性が相続して所有権が移っている。父親とみられる男性は1981年に目と鼻の先の市川市内に土地・建物を購入しており、一家はマンションに転居するまで同所で暮らしていたようだ。近くに住む女性は新一家のことをよく覚えていた。「お父さんが有名私立大を出て外資系超大手メーカー勤務、海外生活も長いエリートでした。お母さんは専業主婦で、ご夫婦とも自宅にジム用のトレーニング器具をそろえるほどのスポーツマンで、お母さんはテニスクラブやジムにもよく通っておられましたよ。でもお父さんは退職後にいろいろご病気をされて、最後は足が動かなくなる難しい名前の病気になって何年か前に亡くなりました。そのころにかほりちゃんが『お母さんと一緒に住むことになりました』と話していたとご近所の方に聞きました。かほりちゃんにはお兄ちゃんもいました」新容疑者の母親と共通の友人がいる女性はこう振り返る。「このマンションが建つ前までは、ここにMというテニスクラブが入っているスポーツ施設があって、お母さんはよくテニスをしに来られていたそうです。会費を払えば一日中いられる施設で、同じ年配のご友人と集まって楽しんでおられたと聞いています。とても活発で、お元気だったようですよ」
事件現場となったマンション(撮影/集英社オンライン)
新容疑者の小中学校時代の同級生の母親は、事件の一報にショックを隠せなかった。「かほりちゃんは地元の公立小学校から中学を経て、地元の私立大学に通っていた記憶があります。彫りの深い可愛らしい顔立ちで、会えばいつも挨拶する子でした。スポーツは昔から好きで、明るい子でしたけど、中学時代はおとなしかったようです。ヨガのインストラクターは、大学を卒業してから始めたと聞いています。ダイビングが趣味で、よく沖縄の海に潜りに行っていたようです。本当にいい子という印象しかないし、宗教の話とかも聞いたことがないので、霊媒師がどうとかいうこともちょっと信じられません」別の近隣住民女性はこう語る。「お母さんはテニスが好きで活動的で、顔を合わせると『ジム行ってくるのよー』というのがあいさつ代わりのような方でした。まだかほりちゃんが小さいころにご家族で近くの公園で遊んでいるのも見かけましたが、家族仲はあまり良くなかったみたいで、ここを引っ越していかれるころは、よく夫婦で言い争いをしていました。外まで聞こえてくるほどの大声でケンカしていたので、引っ越しの原因は離婚かと思っていたほどです。かほりちゃん自身はお母さんと仲が良さそうだったし、家の前で遊んでる姿を知っているだけに事件は信じられないです」
新容疑者(ジムHPより)
両親が不仲だったということは、付近ではよく知られた事実だったようだ。別の住民にも生々しい記憶があった。「かほりちゃんが小さなころから頻繁に夫婦ゲンカをしている家庭でした。基本的に聞こえるのはお母さんの怒鳴り声と、ガチャンガチャンと食器や物を投げるような音が響いていました。お母さんは活発な人で、昔は冷凍食品の試食会販売をやっていて、ホームパーティで人を集めて実演してその場で売るということをやったりもしていました。お父さんはそれこそ体格もよくて映画スターみたいにいい男でしたよ。何が原因かはわかりませんが、『また始まったか』という頻度でケンカしていました。かほりちゃんはそんな一家が周囲からどう見られているのか、小学校の頃から冷静に見ている節があって、同級生の親御さんが『お家のなかで遊ぶ?』と誘っても遠慮して入ってこないような子でした。どこか線引きしているような印象がありました。うちの子とも公園の遊具で一緒に遊んだり、仲良くしていたんですけどね」
新容疑者は高校を卒業すると、ロードレーサーにまたがってさっそうと風を切る姿がよく見られるようになったという。「毎日競輪選手みたいな格好で、競輪選手が乗るような自転車に乗って出掛けていました。ここを引っ越して出ていく2~3年くらい前から、一家を巡っていろいろなことが重なって起きました。結婚して独立していたお兄ちゃんが幼子を2人連れて戻ってきて、その子たちの面倒をかほりちゃんが見ていたようでした。母方のおばあちゃんも同居するようになり、そのころになるとお父さんの病状が悪化して体がだんだん動かなくなって、リハビリなのか家の前をよく散歩するようになりました。お母さんはお父さんではなく、おばあちゃんに対してしょっちゅう怒鳴り声をあげているようでした。これは推測ですけど、かおりちゃんはそんな家族の恥部を、周りには隠しておきたいという気持ちがあったのではと思います」
新容疑者(本人SNSより)
母娘の間でいったい何があったのか。県警が詳しい動機を追及している。※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。メールアドレス:[email protected]@shuon_news取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班