<山武市有地の砂ぼこり問題> 住民説明会を初開催 土砂搬入経緯や防止策示す 7月中に地質調査のサンプル採取 住民から水たまりの苦情も

山武市小松の市有地で市が周辺住民に十分な説明を行わないまま業者によって大量の土砂が運び込まれ、周辺住宅に砂が飛散するなどの被害が出ている問題で、市は9日、同市の小松浜公民館で住民説明会を実施し、土砂搬入の経緯や飛散防止策、地質調査の展望について説明し、地質や地下水などの調査に使うサンプルの採取を7月中に行う方針などを示した。市による説明会開催は初めて。
問題が起きている市有地の周辺住民を対象とし、市側の出席者は松下浩明市長のほか関係各課の幹部ら。土砂は建設残土(建設発生土)とされる。説明会で市は問題について謝罪し、調査で土砂の一部で水素イオン濃度(pH)が基準値を超すアルカリ性を示すことが分かったことや、飛散防止液をまくといった被害防止対策を講じることなどについて説明した。
住民からは市の対応不足について苦情の声が出たほか、排水設備が不十分で強い雨が降ると水たまりが発生することに悩む声が上がり、市は改めて排水設備を整備する方針を示した。ただ、「できるだけ早く」(6月15日の市定例議会での市側の答弁)としている搬出の具体的な時期については地質調査を待ち未定とする。搬出費用についても協議中としている。
問題の市有地は2014年に日本大から市に無償譲渡された。かつては池や湿地で、悪臭を訴える一部住民からの要請を受け、市は埋め立てを決めて地元業者に委託。将来の公共工事に使う土砂の仮置き場にもなった。昨年3月からの約3カ月間で、約2万2千平方メートルの敷地に市の想定を超える約5万5千立方メートルの土砂が運び込まれた。