ウクライナの人気バンド・KAZKAが来日! 山梨で避難民や高校生らと交流深める

ウクライナの人気ポップスバンド「KAZKA」が7月7日、山梨県甲斐市を訪問。この日開催された「KAZKA来日山梨トークライブ&国際交流ミニコンサート」に参加し、ウクライナ避難民や地元の高校生たちと音楽を通じて交流を深めた。

このイベントは心理カウンセラーの業界団体「一般社団法人全国心理業連合会(全心連)」が運営する、全心連ウクライナ「心のケア」交流センターが主催した。KAZKAは6月下旬、「心のケア」交流センターが滞在費などをサポートするかたちで来日。福岡、沖縄、関西、山梨、東京をめぐり、ボランティアでウクライナ避難民を元気づけた。

○■KAZKA「絶対にもう戦争にはならないと思っていた」

山梨でのイベントの舞台は日本航空高等学校の山梨キャンパス。日本航空高等学校は全日制でウクライナ避難民の学生を受け入れるなど積極的な支援を行ってきた。最近では、「心のケア」交流センターが支援するウクライナ避難民の高校生を通信制の学生として受け入れたばかり。

この日のイベントにはウクライナ避難民や高校の生徒など約500人が参加。集まった生徒たちにウクライナの現状を伝えるべく、KAZKAのメンバーや全心連の浮世満理子代表、日本航空学園の梅澤重雄理事長らが登壇し、トークセッションを行った。

KAZKAのボーカル、オレクサンドラ・ザリツカさんは山梨訪問について、「山梨はすごく綺麗で、素晴らしい景色がある。富士山は世界中で一番綺麗な山だと思う」と話す。一方で、「しかし、ウクライナでは毎日戦争が続いていて、今日もキエフでは爆発があった。私の心の中には、いつもウクライナの痛みがある」とも訴えた。

また、ザリツカさんは第二次世界大戦についても言及。「80年前にもウクライナでは戦争があったが、私たちは学校で歴史を勉強していたし、絶対にもう戦争にはならないと思っていた。21世紀にまた戦争が起きるなんて、誰も思っていなかった」と話し、「残念ながら、いつどこの国でも戦争に巻き込まれる可能性はある。だからこそ、自分の国の歴史を守り、大事にしてほしい」と語りかけた。

さらに、「今、日本には2,300人のウクライナ避難民がいる」と指摘し、「心から日本人のみなさんに伝えたい。ウクライナ人をサポートしてくれて、本当にありがとうございます、と。日本は本当に素晴らしい国です」と感謝の言葉を口にした。

KAZKAのメンバーで、ウクライナの伝統楽器ソピルカ奏者のドミトロ・マズリャクさんは、「山梨は僕の実家に似ている。この素晴らしい山々の景色は、ちょっとウクライナに似ていると思う」と笑顔を見せる。

そのうえでマズリャクさんは、「今のウクライナに安全な場所はない」と訴え、「昨晩もキエフにはたくさんのミサイルが落ちた。原発の問題もあるし、本当に安全なところはない。もしかしたら、避難民もまだ増えるかもしれない」と危機感を滲ませる。

さらに、「私たちは沖縄から山梨まで巡ってきたが、日本人は自分の文化や歴史を守っていると感じた。これはとても素晴らしいこと。私たちも皆さんと同じように、ウクライナの文化を守りたい。ウクライナの伝統的な歌を日本人に伝えたい」と語り、「僕は日本で、おもてなしの心をすごく感じることができた。おもてなしの気持ちは、今のウクライナ避難民の心に必要なことです。本当にありがとうございます」と謝意を述べた。
○■「民間人は戦争を止めることも、戦うこともできない」

梅澤理事長は、ロシア軍によるウクライナへの空爆について触れ、「日本も第二次世界大戦でアメリカの空爆を受け、日本の大都市という大都市がすべて焼け野原になった。それから数十年かけて日本は立ち上がったが、空爆は男女も老人も子供も関係なく犠牲にする残虐行為であり、絶対にやってはいけないことだ」と力を込めた。

さらに梅澤理事長は、「民間人は戦争を止めることも、戦うこともできない。だからこそ我々は、戦争で被害を受けた人たちに対する可能な限りの支援をしなければいけない」と主張。「支援というものはお互い様で、世の中には戦争だけでなく、天災などもある。この際、全世界でボランティアのネットワークをしっかり構築し、少しでも平和に貢献したい」と語った。

全心連の浮世代表もこれに同意し、「私たちは戦争を止められないし、戦えない。だからこそウクライナ避難民を受け入れてサポートし、ケアしたりもするが、それはお互い様。やがてウクライナも復興するし、日本はまたいつ大災害があるかもわからない。お互いがボランティアの気持ちで助け合うことが大事」と語った。

また、浮世代表は「戦争は命や街だけでなく、文化も壊される。今、ロシアの占領地域ではウクライナの言葉を話しただけで逮捕されたり、ウクライナの歌を歌うだけで収容所に入れられている」とウクライナの現状を紹介した。

その後、ウクライナ避難民や生徒らの前でKAZKAが自らの楽曲やウクライナの民謡などを熱唱。日本航空高校の生徒たちもステージで和太鼓や吹奏楽、ダンスを披露するなど、文化交流をはかり、イベントは大盛況に終わった。