柏崎刈羽原発でテロ対策の不備などが相次いで発覚したことを受け、原子力規制委員会が行ってきた追加検査。その検査の一環として3日、東京電力・小早川智明社長への聞き取り調査が行われました。
【原子力規制庁 柏崎刈羽原発 追加検査チーム 古金谷 敏之 チーム長】
「どういう目標を持ちながらとか、どういった課題が残っているのかとか、そういったところを社長のお考え、ご認識をしっかりお聞きしたいなと思います」
3日、原子力規制委による聞き取り調査を受けたのは東京電力の小早川智明社長です。
柏崎刈羽原発を巡っては社員によるIDの不正使用や侵入者を検知する設備の長期間にわたる故障などテロ対策の不備が相次いで発覚。
事態を重く見た規制委は東京電力に対し事実上の運転禁止命令となる核燃料の移動を禁止する是正措置命令を出しています。
2021年10月には東電が提出した再発防止策を元に追加検査を実施。
委員全員が現地での調査を行ってきましたが…
【原子力規制委員会 山中 伸介 委員長】
「この(追加)検査のフェーズの終盤には入ってきていると思いますけど、状況としてはかなり厳しい状況だという風には私自身把握しています」
検査チームによる3日の聞き取り調査でもソフト・ハードの両面で課題が浮き彫りになったと言います。
【原子力規制庁 柏崎刈羽原発 追加検査チーム 古金谷 敏之 チーム長】
「具体的にというのはセキュリティの関係で申し上げられないが、例えば自主的に改善していくような取り組み、そういったところが不十分であると、そういう意味では検査が終わらないと(事実上の運転禁止)命令の解除にはならないというのが命令書の書きぶりからするとそういうこと」
一方、小早川社長は課題について認識を共有できたとした一方で、再稼働の時期について問われると…
【東京電力 小早川 智明 社長】
「あまりスケジュールありきで、ものを進めるというよりはしっかりとまず改善ありきで進めて参りたい」
3月6日には柏崎刈羽原発の稲垣武之所長への聞き取り調査が予定されています。