2023年1月、午前1時30分頃にアメリカのメイン州にある『ケープ・エリザベス警察署』の緊急電話が鳴りました。
電話をかけてきたのは、道路の除雪作業をしていた市の職員。「アザラシが道路をうろついている」と知らせてきたのです。
警察官が現場に駆け付けると、1頭の子供のアザラシが凍った車道の上におり、雪が降る夜の静けさを楽しんでいるように見えたとのこと。
真夜中に車道にいたら、車に轢かれてしまう可能性があり危険です。
警察官はアザラシを保護して車に乗せ、近くの海岸沿いにある公園『フォート・ウイリアムズ・パーク』から海に帰してあげました。
一件落着と思われましたが、午前7時頃、再び警察に「アザラシが道路を横断しています」という通報が。
別の警察官がその場所へ行くと、夜中に保護したのと同じアザラシの子供が、海岸から歩いて10分ほど離れた道にいたのです!
警察官とその場にいた親切な人たちがアザラシを捕まえて、再び『フォート・ウイリアムズ・パーク』から海に放しました。
しかし、話はそこで終わりではありません。
約1時間後、先ほどのアザラシがまた岸に上がってきて『フォート・ウイリアムズ・パーク』をウロウロしているのが発見されたのです!
警察官と数人の市民が協力してアザラシを捕まえて、また海に帰してあげました。
その後、警察は地元の海洋動物の保護施設『マリン・ママルズ・オブ・メイン』に連絡。
アザラシの安全を危惧した職員が見つけて保護し、施設に連れて帰りました。
診察をしたところ、このアザラシはとても体重が少なく、十分な栄養が摂れていないことが分かったのです。
最近母親から離乳し、あまり食べ物を得られていなかったそうです。
このアザラシについての投稿には「このかわいい顔を見て!」「かわいそうに。無事でよかったね」など、安堵の声が上がっています。
アザラシが何度も陸に上がってきたのは、お腹が空いていて、食べ物を求めていたからかもしれません。
しばらくは『マリン・ママルズ・オブ・メイン』で世話をして、健康になったら海に戻すということです。
早く元気になって、海に帰れるといいですね。
[文・構成/grape編集部]