米IT大手メタ(旧フェイスブック)の新しい短文投稿型交流サイト(SNS)「スレッズ」の登録者が提供開始から1週間もたたずに1億人を超えたことが10日、分かった。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「5日しかたっていないのに信じられない」と投稿した。
構造がよく似ているツイッターの利用者は1日当たり2億人超とされており、追い上げるスレッズは利用者を定着させることが課題となる。ツイッター運営会社のリンダ・ヤッカリーノCEOは10日、「先週に2月以降で最大の利用が記録された日があった」とツイートし、「ツイッターは一つしかない」と述べてスレッズへの対抗姿勢を示した。
スレッズはメタの写真共有アプリ「インスタグラム」のアカウントを引き継いで利用でき、この仕組みが登録者の急速な拡大に寄与した。日本語で投稿できるのが500文字以内と、原則140文字以内のツイッターより長い。日本や米国など100超の国・地域で提供しており、30以上の言語で利用できる。
米紙ニューヨーク・タイムズや日本の報道機関、人気歌手のジェニファー・ロペスら著名人もアカウントを相次いで開設している。
ツイッターは、米実業家イーロン・マスク氏が昨年10月に運営会社を買収して以降、混乱が続いている。米連邦議会乱入事件を巡る投稿で凍結していたトランプ前米大統領のアカウントを突然解除するなど、急進的な動きによって一部の広告主が離反。従業員を買収前の5分の1まで削減し、システムも不安定になっている。7月からは1日の投稿閲覧数を一時的に制限し、利用者の不満が高まるなどサービスの変更が混乱を招く一方、収益の拡大には結びついていない。
ツイッター運営会社は、メタが元ツイッター従業員を雇用し企業秘密や知的財産を不正に利用してスレッズを開発したと非難し、法的措置の可能性を示唆している。メタ側は「スレッズの技術者チームに元ツイッターの従業員はいない」とコメントしていた。