商家の歩み伝える200点 激動の時代 県都繁栄の力に 文具、書、百貨店… 千葉市郷土博で企画展

千葉県誕生150周年の節目に、千葉の繁栄を支えた商家の歩みを振り返ろうと、千葉市郷土博物館(同市中央区)で企画展「商人たちの選択~千葉を生きた商家の近世・近現代~」が開かれている。文具店「岩田屋」と書店「多田屋」のほか、戦後に千葉随一の百貨店となった「奈良屋」を特集。当時の写真や資料など約200点で激動の時代をたどる。9月3日まで。
1873年(明治6年)に千葉県が誕生すると、千葉町(現在の千葉市)に県庁が置かれて県都に。木炭の卸売業から始まった岩田屋は、県庁向けに筆記具や紙などを売る文具店に転身し、東金で創業した多田屋も千葉町に新店舗を出店。いずれも現在も営業中で、千葉の変遷を巧みに見抜いて事業を拡大した各商家の選択を伝えている。
三越千葉店の前身となった百貨店「ニューナラヤ」を経営していた奈良屋の興隆も紹介。奈良屋が千葉で急成長した理由や、流行の発信地として市民に愛されてきた若者向けのファッションビル「セントラルプラザ」開業の経緯なども、当時の懐かしい写真とともに振り返っている。
同館の土屋雅人学芸員は「それぞれの商家がどういった選択で成功していったかを、千葉の歴史とともに振り返ることができる。知っている風景や懐かしい店舗も登場する。ぜひ訪れて」と呼びかけている。
午前9時~午後5時で入館無料。問い合わせは同館(電話)043(222)8231。