「鳥の街」我孫子に3・6メートルの巨鳥が出現 乱獲で絶滅、実物大ジャイアントモア像 環境保全のメッセージ込め 市鳥の博物館前

「鳥の街」に絶滅した巨鳥が降臨-。我孫子市の手賀沼親水広場駐車場に、ニュージーランドに生息し乱獲で絶滅したジャイアントモアの実物大モニュメントが設置され、19日にお披露目式が開かれた。発案した市民団体は「今、人間に求められている自然環境保護の必要性を表した彫刻だ」とし、生態系を守るなど環境保全へのメッセージを発信する象徴にしたい考え。
同広場近くの市鳥の博物館では1990年の開館以来、同国の博物館から譲り受けたジャイアントモアの骨格標本を展示。この縁と、乱獲で絶滅した経緯を踏まえ、市内でアートイベントなどを行う市民団体「我孫子アートな散歩市企画委員会」は環境保全の発信に最適と判断。ジャイアントモアのモニュメント制作を決めた。
過去に市内で動物の彫刻展示を行った茨城県取手市の彫刻家・島田忠幸さん(76)に昨年5月、制作を依頼。島田さんは名古屋市東山動植物園にある復元模型を見学するなどして構想を固め、板状のアルミニウムを金づちでたたいて型どりし、パーツごとに溶接して組み合わせた。屋外に2本足で立ち続けるため両足を補強し12月に完成させた。
モニュメントは高さ3・6メートル、幅1・2メートル、奥行き2・1メートル。今年3月に我孫子市に寄贈し、設置費約260万円は市が負担した。市内に別荘を構えた柔道創始者、嘉納治五郎が手賀沼を「安美湖(あびこ)」と呼び愛したことにちなみ、同委員会代表の太田安則さん(74)が「安美湖を求めて」と命名。「かけがえない我孫子の自然が守られ、豊かになるようにとの願いを込めた」と話した。
星野順一郎市長は「人も鳥も住みやすい街づくりのシンボルに」と歓迎した。