「ルフィ」今村容疑者が「ミツハシ」で犯行指示し再逮捕…背後には“別の指示役”が存在か

「ルフィ」を名乗り、京都市の貴金属店強盗を指示したとして逮捕された今村磨人容疑者(39)が、千葉県大網白里町のリサイクルショップ襲撃事件では「ミツハシ」の名前で犯行を指示していたとして、20日、強盗致傷などの疑いで警視庁に再逮捕された。
「ミツハシ」は今年1月、レンタカーの運転役だった元自衛官に匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」を使い、報酬50万円でレンタカー2台を手配するよう指示していた。ただ大網白里の事件では、「キム」を名乗る人物が実行役に「強盗の経験はあるか」と伝えていたことから、今村容疑者とは別の指示役もいるとみられている。
京都の強盗事件では男女2人の実行役が車で逃走中、名神高速のサービスエリアのトイレで何者かに襲われ、強奪品のロレックス41本のうち、40本を横取りされた。ロレックスは岐阜県内のコインロッカーから回収され、売却金100万円が今村容疑者の銀行口座に振り込まれていた。
「実行役の男は600万円の報酬を約束されていたが、『失敗』を理由にほごにされ、19万円に減額。女には一切、支払われなかった。ロレックスの換金役2人は、計70万円の報酬を受け取ったが、今村から『警察にバラすぞ』と脅され、今村の銀行口座に全額、振り込んでいる。事件に関与した闇バイト12人のうち、報酬をもらえたのは実行役の男と、岐阜までロレックスを取りに行った回収役の2人だけだった」(捜査事情通)
今村は闇バイトに店を襲わせるだけでなく、別の「仲間」を雇って盗品を横取りさせ、報酬まで巻き上げていた。
■元かけ子は「3人より立場は下」
しかし、こんな大がかりな犯行を今村容疑者1人でできるのか。特殊詐欺グループのボスの渡辺優樹(39)、ナンバー2の小島智信(45)、藤田聖也(38)ら3容疑者は事件にどう関わっていたのか。かつて渡辺容疑者や今村容疑者の元で特殊詐欺に関わっていた元「かけ子」がこう言う。
「以前から『受け子』がタタキ(強盗)に遭うケースはありました。受け子がだまし取った多額の金を運んでいることは幹部しか知らないハズだから、最初から計画していたのかもしれません。今村は詐取した金と、受け取った金額が5000円違うだけで『金額が合わない』と細かく指摘するタイプ。幹部といってもしょせん、『かけ子』のリーダーに過ぎず、3人より立場は下でした。印象では上から命じられたことを、ただこなすだけでした。当時はフィリピンのビクタン収容所で拘束されていたので、抵抗することも逃げることもできず、3人からいいように使われていたのかもしれません」
ルフィグループが関与した特殊詐欺事件は約2300件、被害総額60億円以上に上り、広域強盗事件は14都府県で50件以上とみられている。事件の全貌は明らかになるのか。