「ウォッカ」でウクライナ支援を キーウで12年間暮らした日本人男性 「第二の故郷」への思いとは

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ロシアのウクライナ侵攻から間もなく1年。支援につなげようと「ウォッカ」の販売に取り組む日本人男性がいます。1本のボトルに込められた思いとは。
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愛知県安城市に住む元・教師の葛西孝久さん(72)。去年3月、12年間暮らしたウクライナの首都キーウから故郷の安城市に戻りました。
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(キーウに住んでいた 葛西孝久さん)「これがウォッカだ、ディス・イズ・ウォッカ」
1年ぶりの思い出の味に思わず笑みがこぼれます。
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葛西さんは現地で日本語などを教えていましたが、ロシアによるウクライナ侵攻後、2週間に及ぶシェルターでの避難生活を経て帰国。
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自分の生活もままならない中、帰国してすぐの去年4月、知人のウクライナ人夫婦から助けを求めるメールが届き、二つ返事で受け入れを決めました。
(キーウから避難 リディアさん)「私たちに人生をくれた。セカンドチャンスをくれたので本当に感謝している」
これまでに食事や言語など、慣れない日本での生活を手厚くサポートしてきました。
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そして今回、ウクライナのために新たに取り組むのは、ウクライナ「ウォッカ」の輸入販売。1本4680円で販売し、このうち1000円を支援金として現地に寄付します。
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(キーウに住んでいた 葛西孝久さん)「(現地で)仕事がなくなっていると聞いていたから、このウォッカを飲むことで雇用もなんとか安定させていけたら」
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「ヨーロッパのパンかご」とも言われるウクライナは小麦の輸出大国。その小麦をふんだんに使った、このウォッカはすっきりとした味わいに麦の香りをもつのが特徴で、現地ではジュースや紅茶で割って飲むのが人気です。

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(キーウ出身の葛西さんの知人 マリアさん)「お正月とか誕生日のお祝いに飲みました」
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ウォッカはウクライナ人にとって一番身近なお酒ですが、現地では戦争が激しさを増し一時、販売が中止に。去年7月頃には販売が再開されましたが、楽しんでウォッカを飲む雰囲気ではないといいます。
(キーウ出身の葛西さんの知人 マリアさん)「私たちは戦争中だから、毎日誰かが悩んでいる。お酒を飲んで楽しむことは悪いこと」
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長引く戦火で日常が奪われ続けている「第二のふるさと」。「お酒を飲む時くらいは楽しい時間を過ごしてほしい」そんな当たり前の幸せを願っています。