〈水戸・8歳と5歳のきょうだいが死亡〉「子どもを殺した」と通報した母親(39)の動機とは…学童と保育園を往復する日々。「父親は今年2月ごろから見かけなくなった」近隣住民が見た事件前日の一家の様子

7月24日午前6時半ごろ、水戸市平須町のアパートの住人女性(39)から「子どもを殺した」と110番通報があった。茨城県警水戸署員が現場に急行し、2階の部屋に血を流して倒れている男女の子どもを発見。その後、病院に搬送したが、死亡した。亡くなったのはこの部屋に住む小学3年生、太田継真君(8)と妹で保育園児の梨心ちゃん(5)。2人には刺し傷があった。アパートには母親と子ども2人の3人で暮らしていたという。同署は殺人容疑で、通報した母親の逮捕状を請求、容疑が固まり次第、逮捕する。
現場は茨城県庁の南西約2キロに位置する住宅街の一角。今年初めごろまでは、一家は父親とみられる男性も同居する4人家族だったようだ。近所の住人はこう振り返る。「事件のあったアパートで、あのご一家を見かけるようになったのは3、4年くらい前のことです。よくアパートの駐車場で子供たちを遊ばせていて、お母さんもまじってサッカーやボール遊びをしていました。今年の1月までは旦那さんと思われる男性も一緒に住んでいたと思います。服装などからサラリーマンというより、自営のお仕事をされているような雰囲気に見えましたが、優しそうな方でした。しかし、2月ごろからその男性を見なくなり、2台停まっていた車も1台になりました」
現場となったアパート(撮影/集英社オンライン)
それでも、5月に継真君の通う小学校で運動会があった日は、久しぶりにもう1台の車もアパートの駐車場に停まっていたという。住人が続ける。「お父さんが運動会を見に来られたのかなと思いました。完全に別居されたわけじゃなかったのかなと安心したのですが、それ以降は車もその男性も見かけることはありませんでした」アパートの2階に住んでいた母子3人家族は、怒鳴り声やしっ責の声が鳴り響くようなことはなかったが、母親は少し地声が大きいようだった。
水戸警察署(撮影/集英社オンライン)
「言い争いみたいな声はまったくなかったんですが、『アハハー』と大声で笑ったり、お母さんが電話か何かで話す声が外まで響くことはありました。かなり大きな声ですよ。そのせいもあって、ちょっときつい方なのかなという印象はありましたが、お子さんたちのことは本当に可愛がってましたよ。お母さんはスラっとしたスタイルのいいかたですが、髪型も服装も決して派手な感じではありません」
母親は毎朝車でどこかへ出かけていたが、事件の1週間前から車は置きっぱなしになっていたという。この住人が最後に母親の姿を見かけたのは事件前日の23日の夕方だった。「家からお子さん2人を連れて出てきて、車には乗らず歩いてどこかに向かっていました。以前はアパートの1階の人とも仲良くて、かなり頻繁にその家に遊びに行っていましたが、そのかたももう引っ越してしまったんですよね。そこへきて、ご主人も家を出てしまっていたのなら、ひとりでいろいろと思い詰めてしまったのかもしれないですね」また、継真君の小学校の同級生の保護者はこう語った。「私が知る限りは普通のお母さんという感じでした。夕方、学童に継真くんを迎えにいってから、下の子を保育所に迎えにいくスケジュールだったことは知っていましたが、顔を合わせればあいさつをする程度で、詳しく話したことはありません。でも変な噂とかも聞いたことないし、なんでこんな事件を、と驚いています。子供からは継真くんとはよくサッカーをして遊んでいたということは聞いていますが、家庭内のことはあまりわからないですね」継真君と学童が一緒だった保護者にも話を聞いたが、事件につながるようなことは思い当たらない様子だった。
一家が暮らしていたアパート(撮影/集英社オンライン)
「本当に普通のお母さんという印象ですね。肩くらいまでの髪の毛を茶色にしていて、ちょっときつめの顔だちだったみたいですが、そのくらいのことくらいしかわかりません。少なくとも保護者のあいだで、何か虐待などの噂があるとかは聞いたことありませんし、継真くんがお母さんを怖がっていたような話も、聞いたことありません」母親が守っていた心の平安の扉を壊してしまった原因はなんなのだろうか。幼き我が子たちを、二度とその腕で抱きしめることはできなくなった。※「集英社オンライン」では、今回の”事件”について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。メールアドレス:[email protected]@shuon_news取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班