市川市は8日、江戸川放水路付近でカキなどの殻を捨てる行為を禁じる条例案を発表した。違反者に対する過料も盛り込んだ。15日開会の定例市議会に提出し、4月1日からの施行を目指す。市によると、同様の条例は全国でも例がないという。
親水護岸が続く江戸川放水路は市民の憩いの場所として親しまれる一方、天然のカキの殻などの不法投棄が続発。2017年には子どもが殻でケガをして救急車で運ばれる事故も発生した。国や市などの関係機関が同年12月に約14トンの殻などを撤去し、投棄しないよう求める看板を設置。だがその後も投棄が続き、市は効果的な対策を検討していた。
条例案は、行徳可動堰から首都高速湾岸線にかけての江戸川放水路約2・7キロの区域を対象に、カキなど貝の身を取り出し殻を投棄してはならないと明記。過料は猶予期間を経て10月1日から適用するとし、当面は5千円で運用する。
市は職員のパトロールを強化し条例の周知を徹底。5千円の過料適用後も投棄が絶えない場合は、過料を5万円まで引き上げることができるとした。
田中甲市長は「江戸川放水路の河口部は自然環境の良い場所だったのに、市民が親しめる環境を維持できなくなった」と条例の必要性を強調した。