2022年10月末、アメリカのテキサス州サンアントニオ市の動物管理局に、「ガリガリに痩せた犬たちがいる」という緊急通報がありました。
職員が駆けつけると、骨と皮だけのようにやせ細った2匹の犬がいて、白いオス犬は倒れたまま吠えることもできないほど弱っていました。
近隣の住民によると、2匹は少なくとも1週間以上、放置されていたといいます。
職員が犬たちの飼い主に連絡をとると、「経済的に困難な状況になり、犬たちの世話ができなくなった」といわれたそうです。
動物管理局は、犬たちの引き渡しの手続きを行い、2匹をすぐに動物病院へ連れて行きました。
白いオス犬はロッコ、黒いメス犬はスカイと名付けられ、動物保護施設『ゴッズ・ドッグズ・レスキュー』に預けられることが決まります。
動物管理局が2匹を施設に移す準備をしていると、Pさんという女性がたまたまインターネットでロッコの写真を見て一目ぼれしました。
Pさんの家では同年8月に高齢の愛犬を亡くしたばかりで、まだ新しい犬を家族に迎える心の準備ができていなかったそうです。
ところが彼女は翌朝、ロッコに会うために家族と一緒に動物管理局を訪れました。
すると、ロッコはPさんたちを見るやいなや、嬉しそうにしっぽを振って歩み寄って行ったのです。
ロッコがPさん一家の一員になった瞬間でした!
瀕死の状態で保護されてから約2か月後までの、ロッコの驚くべき変化をご覧ください。
※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。
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ロッコは約2か月間で体重が2倍に増えて、すっかり健康になりました。
Pさんたちはロッコを迎えてすぐに、ロッコの耳が聞こえないことに気付いたといいます。
それからは手話でコミュニケーションをとり、ロッコは基本的な指示はしっかり覚えたそうです。
スカイのほうも回復して元気になり、2023年2月現在、里親を募集しています。
元気になったロッコとスカイの姿を見た人たちからは「2匹とも健康そうでよかった」「嬉し涙が出そう」「どんな事情があってもペットを捨てるのは間違っている」などの声が上がっています。
サンアントニオ市の動物管理局は前の飼い主に対して、2匹を適切に世話しなかったことについて法的措置をとっている最中ということです。
人間に飼われているペットたちは、飼い主が世話をしなければ生きていくことはできません。
しかし残念ながら、命を預かっているという大きな責任を放棄してしまう人がいます。
手遅れになる前にロッコとスカイが保護されたのは、不幸中の幸いといえるでしょう。
元気になった2匹がこれからは二度と苦しむことなく、幸せに生きていけるといいですね。
[文・構成/grape編集部]