ススキノ首切り殺人は娘を守るためか復讐か…被害者とのトラブルの中身、瑠奈容疑者の祖父は「襲われた」

「親なら全力で子どもを守る」
娘の犯行を手助けした精神科医の父親は、かつて病院の同僚や患者にこう話していたという。札幌・ススキノのラブホテルで、北海道恵庭市の男性会社員(62)の首なし遺体を遺棄したとして、職業不詳の田村瑠奈(29)、父親で医師の修(59)、母親でパート勤務の浩子(60)ら3容疑者が逮捕された事件。一家総出で犯行に及んだ動機は、娘を守るためだったのか、それとも「復讐」だったのか。
瑠奈容疑者は2人でラブホに入室直後、事前に購入した凶器で被害者を殺害したとみられる。両親は娘が犯行に及ぶと知りながら、共に凶器や遺体を運ぶスーツケースを購入したとされ、一家の入念な準備がうかがわれる。
警察の調べに対し、浩子容疑者は「娘が男性から暴行され、トラブルになった。娘が男性から暴行されたと知り、(夫が)娘と一緒に事件を起こした」と供述。
修容疑者の父であり、瑠奈容疑者の祖父も25日、集英社オンラインの取材に対し、次のように語っている。
「瑠奈は襲われているんだよ。相手が女の格好してたから瑠奈は女だと思ってたの。それで2人でいいところがあるから行こうって言われてラブホテルに入って、入った途端に相手は男になったわけさ」
同記事によれば、祖父は息子と孫が逮捕された24日、ホテルに滞在中だった浩子容疑者から電話で事の顛末を聞かされたという。
瑠奈容疑者と被害者が知り合ったのは、今年に入ってから。当初、被害者は女装していたため、瑠奈容疑者は被害者を女性と思い込んだまま複数回、会っていたようだ。その後、2人の間にトラブルが発生し、「二度と会わない」と約束した被害者から瑠奈容疑者に再び連絡があり、2人は事件当日、再会することになった。
「女装癖のある被害者はススキノでは、毎週のように夜の街に繰り出すなど、ちょっとした有名人でした。クラブやディスコなんかも女性料金で入場し、時間帯によってはタダになるところもあった。店側もジェンダーへの配慮から、身分証で男性と分かっても、女性扱いしていた。被害者も趣味と実益を兼ねていたようで、女性専用フロアなどで若い女の子に声を掛けていた。相手もその格好から気を許していたみたいで、若い女性との交友関係は広かった。ただ出入り禁止になる店もあり、トラブルは絶えなかった」(飲食店関係者)
瑠奈容疑者は逮捕後、捜査員に「自分の中には別の何人もの人格がある。その中の一人がやった」と漏らしていたという。
瑠奈容疑者は子どもの頃から精神疾患を患い、感情を抑えられなくなることがあったそうだ。いったん手を付けられなくなると、瑠奈容疑者がどういう行動に出るか。一番よく分かっているのは、娘思いで29年間、ずっとそばにいた精神科医の修容疑者だろう。
いくら、かわいい一人娘とはいえ、人の命を助ける医師が命を奪う側に回るとは……。