専大松戸 最強ナイン終盤本領 第105回全国高校野球 千葉大会 最終日

ホームベース上でできた歓喜の輪。専大松戸が2年ぶりとなる夏切符をもぎ取った。8-7。計27安打が飛び交う壮絶な打撃戦を制した。
変化球を制球良く投げる相手左腕を打ちあぐね、八回表を終えて2点ビハインド。それでもサヨナラ打を放った宮尾日向は「自分たちは終盤に強い。ひっくり返せる自信があった」。昨年秋から幾多もの逆転劇を演じてきた百戦錬磨のナインは重圧が増す最終盤で真価を発揮した。
この回、宮尾が絶妙なバントを一塁線に転がして出塁。好機を広げて内野ゴロで2得点。九回は内野安打を足がかりに送りバントで二塁へ進めサヨナラの好機。力みがちな場面でも宮尾は「打てたらいいなと気楽に打席に入った」。追い込まれてからの4球目。浮いた変化球を右中間に打ち返してみせた。
チームで掲げる二つの目標。「県内公式戦無敗」と「全国制覇」。センバツ8強を達成したが、甲子園で敗れた日の夜、主将の大森准弥を先頭に「俺たちならもっとできる」と部員全員が唱えた。
昨年秋の予選から県内20連勝で締めくくった。残る目標は日本一の大目標のみ。壁は高いが主将は「個々の能力は負けていても、チーム力で上回りたい」と力強く意気込む。県勢が約半世紀、手にしていない深紅の優勝旗。房総半島に持ち帰るため、緑のナインが聖地に乗り込む。