「助ける気ある?」 ワクチン接種13分後にアナフィラキシー 症状が治まらないまま2年が経過し生活一変【大石が聞く】

物事の核心に迫る「大石が聞く」。今回は、ワクチン接種直後にアナフィラキシーを起こし、その後、全身の強い倦怠感に苦しむ女性です。症状が治まらないまま2年がたった今を取材しました。
「助ける気ある?」 ワクチン接種13分後にアナフィラキシー …の画像はこちら >>
大阪府内に住む30代前半の女性。一緒に歩いている間にもひざから突然力が抜け、歩くこともままなりません。
(大石アンカーマン)「いま歩いてらっしゃいましたけど、歩くのもしんどいんですか」(女性)「急に力が抜けて、あのままこけたりもよくあって、こけて起き上がれない時もあります」
CBC
こうなったのは、2年前の「あの日」から。2021年6月、東京の大規模接種会場で、モデルナ社の新型コロナワクチンを接種した女性。その直後、身体に異変が…
(女性)「1回目(接種後の)待機中、13分後に溺れるような苦しい感じになって むせて、頭も痛いし 気持ち悪いし 目も回るし、全身麻酔を打たれたような感覚になって、そのまま病院の救急室に運ばれて、結果アナフィラキシー」
CBC
CBC
命の危険もある急性アレルギー反応「アナフィラキシーでそのまま3日間入院。すぐによくなる…そう思っていましたが…
(女性)「スポーツもしてましたし、自転車で通勤してましたし。普通に家にほとんどいないようなアクティブなタイプだったので、それがその日からガラッと変わって」(大石アンカーマン)「ワクチンを打つ前と打った後で、生活、そして身体、全部変わっちゃったんですね」(女性)「全部変わりましたね」
頭痛や吐き気、めまいが一向におさまらず、接種からおよそ3か月半後、ひとりで暮らせなくなったため、大阪の実家へ戻りました。2年たった今も症状は続いています。
CBC
(女性)「電気を消して音をなくすと、すごく楽になって。まぶしいのがすごく症状を悪化させていることに気づいて、そこから新しいサングラスを買って」
CBC
(大石アンカーマン)「いまサングラスをかけてらっしゃいますけれども、この眼鏡をとるとどうなってしまうんですか」(女性)「気持ち悪くなります」
(大石アンカーマン)「いまカーテンを閉めてらっしゃいますよね。これも外の光を嫌って?」(女性)「そうです。電気もいつもつけていないんです。夜になっても真っ暗で生活していて…」
昼夜問わずカーテンを閉め、電気をつけずに生活。音にも過敏になり、出かける時は常に耳栓やイヤホンで耳をふさいでいます。医師の診断は「慢性疲労症候群」。原因不明の強いけん怠感が長時間続き、頭痛や思考力の低下などさまざまな症状が出る疾患です。
CBC
(大石アンカーマン)「しっかり書いてますね。診断名『コロナワクチン接種後 アナフィラキシーショック症状遷延』」
CBC
ワクチン接種によるものだと、いままで診てもらった6つの医療機関の医師ら全員が認めています。
CBC
(大石アンカーマン)「ワクチン後遺症の方は、医療機関にワクチンとの関係性を認めてもらえない人が多いが、そこはしっかり認めていただいているんですね」(女性)「ありがたい方だと思います。一回も『ワクチンじゃないだろ』とか言われたことはないです」
いまも月に1回のペースで、大阪府内のクリニックに通っている女性。
CBC
(大石アンカーマン)「本当に街を歩くのは…、大丈夫ですか?…大変そうですね」
CBC
(女性)「腕も使うと同じ事が起きるので、杖とか車いすも難しくて…」点滴やサプリメントの服用など、様々な治療法を試しています。(女性)「いろんな治療を今まで試して、点滴が一番効いているという実感があって。今すぐ効くわけじゃないんですけど、点滴したら少し頭がクリアになって」
CBC
しかし「慢性疲労症候群」にはまだ決定的な治療法はありません。国の難病指定を受けていないため、医療費の支給も受けられません。(女性)「相当厳しいです。いま医療費だけで月7万円くらい使っていて、貯金がいつ 底を尽きるのかなっていう不安がずっと付きまとっていて。それも効くか分からないというのがあるので…。でも賭けるしかない、それにしかすがるものがない」
CBC
女性の主治医は。
CBC
(ナカトミファティーグ ケアクリニック 中富康仁 院長)「経過からしか判断できないが、ワクチン接種後にアナフィラキシーショックを起こした」
CBC
(大石アンカーマン)「これはワクチンと副反応の関連性はあるというふうに先生は見ている?」(ナカトミファティーグ ケアクリニック 中富康仁 院長)「それ以外の要因がなかなか難しい状況。経過を丹念に追っていく中で、何が悪化要因かというところで考えざるを得ない」
CBC
こうした中、2023年6月には女性に対し障害年金の認定が下りましたが、支給される年金はすべて医療費に消え、生活の足しにはなりません。
CBC
しかし、2022年12月に申請した国のワクチン副反応の救済制度は認められないままです。
CBC
(女性)「提出までに1年半かかって、病院の文書代だけで8万円かかって、1000枚ほどの資料を控えとしてコピーをとらないといけないし、市役所とも何回も電話でやり取りしたり、本当に大変で」
CBC
(女性)「救済制度って言っているけど、『助ける気ある?』っていう制度だと思います」
CBC
国に報告された副反応の事例はワクチンメーカーにも共有され、女性の症状について、モデルナ社は追跡調査の必要性を認めました。
CBC
しかし、一度の調査で接種直後のアナフィラキシーは回復していると結論付け、調査は打ち切りとなっています。
CBC
CBC
(女性)「ちゃんと確認してくれれば、『まだしんどいんですよ』『まだ治らないんですよ』って報告するのに。しかもワクチン接種はその間も続いているわけで、調査もせずに『大丈夫ですよ』って言っている国に対しては不信感しかなくて…」
CBC
症状が続いているにもかかわらず調査を打ち切ったモデルナ社と、副反応の原因究明や治療が進まない中、接種を推し進める国には、憤りを感じています。
(女性)「こういう被害に遭った人の声って邪魔だと思うんですよ。(接種を)進めようとしているのに、そんな危ないとか リスクなこと言わないでくれ、打ちたい人が減ってしまうじゃないかって。(国の)言いたいことはわかるんですけど、ちゃんとこれだけつらい思いしている人がたくさんいるというのを分かってもらって、あなたたちが認めないが故に、治るものも治らない、進む治療が進まない、研究も進まない、そういう現状を本当に真摯に受け止めてほしいです」
CBC
CBC
2023年7月6日放送 CBCテレビ「チャント!」より