〈水戸・母が8歳と5歳の子殺害〉「昨日離婚した―」「養育費いっぱいもらってるから大丈夫なんや」と強がっていたモデル体型のママ(39)は最近、失恋…「気分が落ち込んでいる」とこぼし、無理心中か

水戸市内の自宅アパートの一室で8歳の長男と5歳の長女の我が子ふたりを刃物で殺害、茨城県警に殺人容疑で逮捕された太田亜紀子容疑者(39)。スタイルのいい美人のシングルマザーとして評判だった太田容疑者は、いったいなぜこのような凶行に及んだのか。現場周辺を丹念に歩くと、動機につながる生活の履歴が見えてきた。
亡くなったのは長男で小学校3年生の継真(けいしん)君(8)と長女で保育園児の梨心(りこ)ちゃん(5)で、県警は長男に対する殺人容疑で7月24日、太田容疑者を逮捕した。2人とも首から血を流しており、血のついた刃物が室内から見つかった。太田容疑者の首にもわずかな切り傷があったといい、無理心中を図ったが死にきれなかったとみられている。
太田一家が暮らしていたアパート(撮影/集英社オンライン)
太田容疑者は梨心ちゃんの愛称から「りこぴママ」とママ友たちから親しまれていた。集英社オンラインは事件発生当日の初報で、住民の証言として「今年1月までは夫と思われる男性が同居しており、車も2台あった」などと報じたが、男性は夫ではなく「彼氏」だったようだ。ママ友の1人が語る。「りこぴママはとても明るくて、彼女の方から『LINE交換しよう』と声をかけてもらって仲良くなりました。今年に入って旦那さんが出て行ったみたいな報道がありましたが、あれは旦那さんじゃなくて彼氏です。旦那さんとは2021年10月には離婚していました。正確な時期は覚えていませんが、突然LINEに『昨日離婚した―』って入ってきてびっくりしたのを覚えています。りこぴママは和歌山県出身で、実家も関西にあると言っていました。普段から『そうなんやー』と関西弁で話すし、本当に明るくて可愛らしい感じでした」気丈な一面をのぞかせることもあったという。「離婚前から今のアパートに住んでいたはずなので、離婚後は家賃の支払いもキツかったのかとは思うのですが、本人は『養育費いっぱいもらってるから大丈夫なんや』とママ友たちにも言っていました。子供たちは本当に可愛がっていたと思います。継真くんは公文式の塾に通ったり、空手も習っていましたし、りこぴもママにはとってもなついていました。事件直前の7月21日には保育園の夏祭りがあって、りこぴママも含めて何人かの保護者は夏祭りが終わると仕事に戻って、またお迎えの時間に子供を迎えに来る予定でした。でもこのときは、りこぴが『ママと一緒に帰りたい』って泣きじゃくって、それを抱っこしてあやす彼女を見たら、子供を心の底から可愛がっていたとしか思えないんです」
太田容疑者(知人提供)
ママ友たちは、太田容疑者が我が子2人を連れて公園で仲良く遊ぶ姿や、楽しそうにお出かけする様子を日常的に目にしていた。虐待の兆候などは一切なかったというが、最近は気分が落ち込んでいたフシもあったという。ママ友が続ける。「離婚後しばらくして『彼氏ができたんだ』と嬉しそうにしていたりこぴママですが、その彼氏とも今年の1月に別れたと聞きました。あと、つい最近になって保育園の先生に『気分が落ち込んでいる』と漏らしていたようです。これは私の推測でしかないですが、『お金はたくさんある』と公言していたのは強がりで、実際は生活がきつくて悩んでいたんじゃないかなって思います」
太田容疑者はフィットネスクラブや弁当店で働いていた。「ダブルワークしていた時期があったにしても、そんなにたくさん稼げたわけではないでしょうし、子供たちが夏休みに入ると、思った以上に手もお金もかかります。食事だけでなく、どこか遊びに連れて行ったりもしますしね。なんとなくですが、将来のことやお金のことを考えたときに不安になり、子供たちを残していくわけにもいかないと思ったんじゃないでしょうか。私はそんな気がします」
太田容疑者が使用していた車(撮影/集英社オンライン)
近くのアパートに住む別のママ友は、特に異変を感じたことはなかったという。「うちが4年前に引っ越してきたときには、太田さんはもうこちらにお住まいで、子供さんたちとアパートの駐車場でボール遊びをしていたのをよく覚えています。子供の泣き声や、叱りつけるような声や物音も聞こえたことはないので、今回の事件は信じられません。彼女は、コンビニでも男性の店員にフレンドリーに話すようなところがあったので、モテるタイプなのかもしれないですね。でも、メイクも濃くないし、服装も派手でない、普通のお母さんて感じですよ。最後に話したのは夏休み前で、『暑いですね』程度でしたが、悩んでいる様子もなく、本当にいつも通りでした」太田容疑者が勤務していた近くのフィットネスクラブの男性スタッフはこう証言した。「太田さんは昨年末に辞めたということを聞いています。うちのスタッフは全員が5月以降からここで働いているので、太田さんのことは詳しく知らないんですよ」
水戸警察署(撮影/集英社オンライン)
いっぽう、弁当店の店長は、2人の子供も含めて太田容疑者の人となりをよく知っていた。「太田さんは、半年くらい前からうちで働いていました。うちは、託児所も併設しているので、働きやすかったのかもしれません。休憩中には子供の様子を見に行ったりと、太田さんは『いいお母さん』というイメージでした。スタイルも良くて関西弁だから、気が強く見えるかもしれませんが、お店ではいたって真面目に働いてくれていましたよ。お金に困っている様子はなくて、シフトを増やしてくれとか、バイト代の前借りを申し出るようなこともなかったです。上の男の子は僕のことをいとこのお兄ちゃんみたいに、なついてくれていたので、すごいショックです。太田さんは事件が起きる直前までうちで働いていましたし、お兄ちゃんのほうは『この前、空手の大会が終わったよ』と報告してくれたし、妹さんも『ママと買い物してきたの』とうれしそうに話してくれたこともあります」
同店のパート従業員の中には、太田容疑者と「ママ友」も複数いて、全員ショックを受けているという。「今はもう夏休みなんですが、事件の数日後には小学校や保育園で保護者説明会があり、泣いている保護者や先生がたもいたようです。うちのパートさんには、太田さんの長男と同じ小学校に通う子を持つママ友がいて、事件のショックで今もバイトを休んでいて連絡が取れない状況が続いているし、ほかのパートさんたちも全員事件のショックで休んでいます。だから今は親戚一同でなんとかお店を切り盛りしているところです」
玄関には花が供えられていた(撮影/集英社オンライン)
太田容疑者の近くに住む70代の女性は、こう心配した。「7月22日は夕方ころに、太田さんと子供2人が仲よさそうに歩く姿を見ましたが、7月23日は一度も見なかったです。事件当日は警察、救急車、消防車にマスコミや住民でごった返していました。連行される時に、容疑者が階段で、酔っ払いのようにフラフラにしていたのを、警察官2人が両脇で抱えるようにして階段から下ろしていました。もしかすると、自分も薬か何かを飲んで死のうとしたのかもしれないですね…」7月25日、太田容疑者は送検された太田容疑者は警察の調べに対し、継真くんとともに死亡した長女の梨心ちゃん(5)も刺したという趣旨の供述をしているという。※「集英社オンライン」では、今回の“事件”について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。メールアドレス:[email protected]@shuon_news取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班