マイナ保険証の顔認証、“なりすまし”の実験結果が物議 「一見ギャグ」でも危機感抱く人も

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1日、河野太郎デジタル担当大臣が、記者会見で2024年秋を予定する紙の健康保険証の原則廃止、およびマイナ保険証への一本化時期について「とくに変更はない」と述べた。延期を求める声も多いなか、ある医療機関が行ったマイナ保険証のなりすまし実験が話題となっている。
2016年1月から交付された個人番号(マイナンバー)が記載された顔写真、ICチップ付きのプラスチック製カード「マイナンバーカード」。その普及はなかなか進まず、政府はマイナポイント事業をはじめとし、さまざまな策で後押しを試みている。
しかしその一方で、証明書の誤交付や「マイナ保険証」で誤登録があるなど、トラブルが続出。自主返納する人も出てきた。
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保険証がマイナンバーカードに置き換わると、病院でマイナ保険証を使うときには専用の機械にカードを差し込み、「顔認証」か「暗証番号」のどちらかを選ぶことに。顔認証は比較的安全そうなイメージだが、これについて長崎県の内科医院院長がなりすましの実験を行い、話題となっている。
実験では、院長のマイナ保険証を読み取り機に読み込ませた後、女性スタッフが院長の顔写真コピーをお面としてかぶった姿で顔認証を実施。するとあっさりと認証され、その後の手続きにも進めてしまった。
この実験動画に「これはダメだろう」「犯罪の温床はここにあったんだ!」「これは酷い。マイナ保険証こそ廃止するべきじゃねーか」などと衝撃を受ける人が続出、「やはり従来の保険証こそ安全!!」との声が。
顔認証システムのなかには動作や表面温度などを検知してAIが不正を判定するものもあり、たとえば顔写真をかざして通過しようとするとAIによって“不正な動き”と判断されるという高性能なものもあるよう。
しかしこの読み取り機の操作マニュアルに記された「免責事項」には「簡易的な機能のため、写真や免許証、スマートフォンなどによるなりすましを完全に防止できない場合があります」と記されているそうで、精度は高くないとみられる。
しかし、動画のようにお面のようなものを装着していると明らかに不自然。
「その前に不審者として通報されるか閉め出されるでしょう」「いや…受付で患者さんがお面被っていたら普通に気づくよ…」「この装備で突破できる病院受付があるのなら是非教えて欲しい」などと呆れる声も多数。
また、「そもそも写真のない旧保険証はなりすまし放題」「それを言ったら現行紙保険証なんてお面すら不要でなりすましできるんだから一刻も早く廃止しなきゃって結論になるけど良いの?」と冷静な指摘も。
ほかにも「一見ギャグなんだけど『完全に無人化するとこの方法で突破される』『受付けがグルだと簡単に突破できる』ってのが顔認証システムの致命的な欠陥で、現在の課題でもある」との声が上がっており、見方は人によって大きく分かれるようだ。