ほぼ実写な「戦艦ジオラマ」が話題 動く波のうねりはどう再現したのか?

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プラモデルといえばミニ四駆にガンプラ、城、自動車、飛行機などが頭に浮かぶが、中でも根強い人気を集めるのが戦艦プラモ。今ネットでは、あまりにリアルすぎる「戦艦ジオラマ」動画が話題を呼んでいる。
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趣味や作品を紹介するためのハッシュタグ「#これひとつで自分を認識してもらえそうなアイテム見せて欲しい」を添えて、「アルミホイルで海を作って動かしてます 船舶専門に作ってます 海の人です~」と動画を投稿したのは、Twitter(現・X)ユーザーのアルキメデスさん。
動画には堂々と海を進む戦艦と、船首からV字に広がる「航跡波」が映し出されており、そのリアルすぎる波の動きはほぼ実写に近い感動のレベルである。前述のとおりアルミホイルでその波を再現しているというが、正直どうやって撮影したのか理解が追い付かない。…ただただすごい。
#これひとつで自分を認識してもらえそうなアイテム見せて欲しい
アルミホイルで海を作って動かしてます船舶専門に作ってます海の人です~ pic.twitter.com/p6wZRrOzs5
アルキメデス(イラストも制作中) (@n26edd3Pt24U3Hk) July 17, 2023
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記者のみならず映像の凄さに反応した人は数多く、「アルミホイルで海を再現??? どう見ても、水にしか見えないッッ」「なんじゃこりゃ~! どこがアルミホイルなんじゃ~!」「え?どうなってるんですか!?」など、波の仕掛けがどうやっても理解できないという声が続々。
アルキメデスさんは「ジオラマ作って撮影して海面だけアプリで動かしてます」と親切に回答していたが、詳細を聞き出すために同氏を取材した!

アルキメデスさんがアルミホイルで海のジオラマを制作しようとしたきっかけは、何気なく開いていた海外モデラーのYouTubeチャンネル。そのクリエイターが公開していたジオラマ製作動画を見たことだった。
「アルミホイルをジオラマやフィギュアに使うことは知ってましたが、詳しく知らなかったので興味を持つようになりました」(アルキメデスさん)。
それから仕事後毎日やり方を見て、ジオラマ作りを開始。完成した作品を撮影し、海面だけアプリ加工しうねうね波打つように見せた。「動かしてみて本当の海のように流れるのか試してみたら、自分でも驚くほどリアルな海になった」と、再現度の高い動画に仕上がった。
ここまで海を再現するのにこだわったのは、友人から言われた一言が大きかったとも明かす。
「海外モデラーさんの動いてる作品を見た時に、『何か玩具ぽくて海に見えない』と思ってしまった事がありまして、友人に話すと 『作れもしないで文句言うなら誰でも出来る。作ってから文句言いなよ』と言われました」(アルキメデスさん)。

波はアプリで動かしているとはいえ、ベースにあるジオラマの完成度もすごい。
「スタイロフォームの土台にクシャクシャにしたアルミホイルを貼り合わせまして、海のうねりや波頭を作ってます。貼り終わると下地塗装(サーフェイサー)を塗り、ブルー系の塗装を2色と光沢を出すために、クリア塗装をします。
あくまでもこの時のクリアは、確認用でして、上に載せる船が製作終わってから画材の光沢剤を塗布して海の質感を作り出してます。艦艇を固定後、航跡を綿や画材のメディウムを使い海面を作ってます」とアルキメデスさん。
戦艦自体は市販キットを使用。そこに自身で撮影した写真や映像資料を分析し、細部まで改造を施している。制作時間は、海単品だと3時間程。かなり早い時では、1時間でほぼ完成してしまうというが、艦艇は資料を見ながらゆっくり制作するため約1カ月かかるとか。
「海は自然物ですので、どのように塗装するか表現するかと言うのが、未だに難しい所ですね。艦艇に関しましては、その艦が一番輝いてる瞬間を切り取ってきてジオラマに再現してます。ジオラマの中で、船が生きているを意識して制作してます」とアルキメデスさんは語る。
最後に、今後の作品について聞くと「現在、アルミホイルに変わる素材の試験をしてます。僕がアルミホイルに拘るのは、初心者でも身近な素材でジオラマが作れることを知ってほしい意味もあります。ご家庭の食卓にある物で作れますから、仮に途中で模型を、止めても処分に困ることも無いのがメリットだと思います」とジョーク混じりに教えてくれた。次回の投稿もファンを喜ばすに違いない…!