「介護施設への入居を考えた」最多のきっかけは?

LIFULL seniorは8月3日、「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」の結果を発表した。調査は7月4日~7日、家族・親族の中で1年以内に介護施設入居者がいる、全国の20歳~79歳の男女2,000名を対象にインターネットで行われた。
○入居時の要介護度は「要介護2」が最多

入居時の要介護度として最も多かったのは、立ち上がりや歩行などが自力で出来ない場合が多く、排泄や入浴などにも介助が必要な「要介護2」という状態で、全体の16.7%を占めた。

公的な介護施設である、特別養護老人ホームへの入居条件は原則として要介護3以上となっているが、次いで「要介護1」(15.8%)、「要介護3」(15.4%)、「要介護4」(12.7%)と続き、今回の調査では、全体の54.6%が「要支援1以上、要介護2以下」で施設へ入居していることが明らかに。
入居を考えた最多のきっかけは「認知症」
入居を考えるきっかけについては、46.0%に「認知症」が、33.3%に「認知症以外の疾患」があったよう。また、「入院していた」は29.6%、「特に疾患がなかった」 は12.7%となった。

認知症と回答した人に具体的な症状を教えてもらったところ、「排せつの失敗をする」(32.3%)、「お金の管理ができない」(29.0%)、「怒りっぽくなる、暴力をふるう」(18.2%)が上位に。また、認知症以外の症状が入居のきっかけとなった人に、強く影響した症状を3つまで聞いたところ、日常生活への影響が大きい「骨折」と「脳血管疾患」(ともに17.0%)がトップに。次いで、食事のコントロールが必要とされる「糖尿病」(15.9%)が続いた。
○自宅介護の期間「1年~2年」が最多

次に、入居前にどれだけ自宅で介護をしていたかを聞いたところ、介護をしていたケースでは「1年以上~2年未満」(18.5%)が最も多く、次いで「2年以上~3年未満」(14.4%)、「6ヶ月以上~1年未満」(12.1%)で続く結果に。自宅での介護期間があるケースでは3年未満の合計が59.6%と、約6割のケースで自宅介護から3年以内に施設介護へと切り替えていることが明らかに。

また、「自宅での介護期間はない」と答えた方は15.4%となり、全体では2番目に多いケースに。ケガや病気で入院し、退院後に自宅で暮らすことが難しくなったケースなどが考えられ、老人ホームへの入居は自宅介護の末にたどり着くものというイメージが強いが、突然入居が必要となるケースも多いことがうかがえた。