「クエン酸がなくなったけど、わざわざ買いに行くのが面倒」「クエン酸の代用になるものを使って掃除にかかるコストを節約したい」
クエン酸は、水垢や尿石のようなアルカリ性の汚れを落とすのに便利な掃除アイテム。しかし、掃除をする時に切らして困っている人や、もともと使用頻度が少なく、できるだけ何かで代用したい人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、クエン酸の代用品や掃除方法、注意点などを紹介します。クエン酸や代用品を使ってきれいに汚れを落とす方法が分かりますので、ぜひ最後までお読みください。
クエン酸は酸性の性質を持っており、酸っぱい味が特徴の化学成分です。梅干しや柑橘系などにも含まれており、スポーツドリンクにも使われています。
食品として活用されているクエン酸は、掃除用品としての利用も可能です。クエン酸はアルカリ性の性質をもった以下のような汚れを落とす際に使われています。
クエン酸をもっていない場合は、似たような性質をもった以下の5つを代用品として使いましょう。
上記の代用品が自宅にありましたら、ぜひ試してみてください。
お酢はクエン酸と同様に酸性であるため代用できます。揮発性が高く蒸発しやすいので、クエン酸だと傷みやすい物でも利用可能です。
お酢で掃除をする場合は、水と1:1の比率で混ぜて洗浄液を作りましょう。
お酢は合成酢のように砂糖が混ざったものや、すでに希釈されているものだと効果が薄いので、穀物酢やホワイトビネガーを用いるのがポイントです。
洗浄液をスプレーボトルに入れて、掃除したい箇所に吹きかけて汚れを落とします。ただし、お酢特有のにおいが一時的に部屋に漂うため、苦手な人は使わないようにしましょう。
レモンやポッカレモンのようなレモン果汁100%の調味料は、クエン酸が含まれている食品であるため代用できます。
レモンを使う場合はそのまま絞るだけで洗浄液が完成。電子レンジの消臭の際は切ったレモンを入れて温めるだけでも効果的です。
レモン果汁を使用する場合は、スプレーボトルに入れて使用します。
レモンは菌の繁殖を防ぐ効果をもっており、アルカリ性の汚れを落とすことが可能です。掃除後はレモンのよい香りがします。
オレンジやみかんの皮もレモンと同様、クエン酸が含まれているので代用できます。オレンジやみかんの皮には、『リモネン』や『ペクチン』と呼ばれる油汚れに強い成分も含まれているため、電子レンジや食器の洗浄にもおすすめです。
油汚れに使用したい際は、皮で擦るだけで落とせるでしょう。靴箱に皮を置くだけでも消臭効果があります。
また、鍋でオレンジの皮を煮ることで洗浄液を作れ、窓拭きや床拭きにも利用可能です。クレヨンや油性ペンの汚れも落とせるので、子供が落書きした際に使ってみてください。
ミョウバンは硫酸アルミニウムカリウムと呼ばれる食品添加物です。スーパーでは焼きミョウバンという、ミョウバンを脱水・乾燥した状態で売られています。
ミョウバンは弱酸性の性質をもっているため、アルカリ性物質が原因のにおいの消臭が可能です。
ミョウバンで洗浄液を作る際は、水500に焼きミョウバン15gを混ぜ合わせて原液を作りましょう。
使用する際は原液を10倍に希釈したものを作り、スプレーボトルに入れます。ただし、焼きミョウバンは水に溶けにくいので、混ぜてから1日は放置しなければいけません。
また、原液は保存期限が冷蔵庫で1か月程度と限られているため、使い切るようにしましょう。
食用クエン酸はスポーツドリンクやシソジュースなどを作る際に用いられているクエン酸です。掃除用のクエン酸と違い、純度が高いため安心して口に入れられるものとなっています。
食用クエン酸も成分は清掃用とほぼ同じであることから代用可能です。食用クエン酸を水に溶かし、スプレーボトルに入れて清掃しましょう。
ただし、食用クエン酸は清掃用と比べると高価なのがデメリット。コストを抑えたい人や食用を使うのがもったいないと感じる人は、清掃用を買い直したほうがいいでしょう。
食用クエン酸が余っていて困っている人や、清掃よりも調理によく使っている人は利用することをおすすめします。
逆に掃除用のクエン酸を食用として使うのはおすすめできません。掃除用のクエン酸は不純物が入っている可能性があり、食品としての安全性が保証されていないためです。
クエン酸や代用品は酸性の性質をもっており、アルカリ性の汚れと中和するため、汚れやにおいを落とすことが可能です。
例えば、水アカをクエン酸で落とすとしましょう。水アカは炭酸カルシウムというアルカリ性の物質を含んでいますが、クエン酸と化学反応させることで以下の3つの成分に変化します。
クエン酸カルシウムは水溶性のある化合物です。炭酸カルシウムは水に溶けにくく汚れとして付着しますが、クエン酸カルシウムは水に溶けるので洗い流せるようになります。
クエン酸は菌の繁殖を抑える効果もあるため、消臭にも有効。食品にも使われており、身体を害するリスクが極めて低く、安全の観点からもおすすめです。
代用品もクエン酸と似たような化学反応が起きます。例えば、水アカとお酢が反応すると水溶性のある酢酸カルシウムになり、汚れを落とせるようになるでしょう。
クエン酸や代用品で掃除できる場所と使用方法について、以下の表でまとめていますのでご覧ください。
上記のようにクエン酸や代用品を使うことでさまざまな箇所をきれいにできますので、ぜひ試してみましょう。
クエン酸の代用品を扱う際の注意点として、以下の4つがあります。
クエン酸を適切に扱わないと、健康への影響や物の劣化にもつながるので、以下を読んでから試しましょう。
ハイターのような塩素系の洗剤と酸性の性質をもったものを使用すると、有毒なガスが発生する可能性があるため使わないようにしましょう。
有毒ガスを吸うと、人体にも影響が出る可能性があり危険です。酸性の洗浄液と塩素系の洗剤どちらも使いたい場合は、できるだけ日をずらして使用することをおすすめします。
塩素系の洗剤だと判断するには、容器に「まぜるな危険」が記載されているかを確認しましょう。
以下のような素材は酸性に弱いため、使用しないようにしましょう。
大理石は表面のコーティングが剥がれてツヤがなくなり見映えが悪くなります。コンクリートはアルカリ性であることから、酸と中和するため溶けて劣化することも。
鉄やアルミニウムのような金属はサビる可能性が高いです。クエン酸や代用品を使用する際は、対象物の取扱説明書で使用可能かどうかを確認するようにしましょう。
洗浄液は濃度が高くなるほど汚れが落ちやすくなりますが、素材が傷む可能性があるので気を付けましょう。クエン酸の場合、水200に対して小さじ1杯にするのが適切な濃度です。
クエン酸を多く入れてしまうと、素材の劣化だけでなく身体にも影響する可能性があります。
例えば、素手でクエン酸の代用品をスポンジに染み込ませて使った場合、肌が荒れることがあるかもしれません。ケガをしている場合は、傷みを感じることがあるので、濃度の高い洗浄液を使わないようにしましょう。
肌荒れが心配な人は、ビニール手袋を使って清掃することをおすすめします。
クエン酸は適切な濃度でも長時間つけ置きすると、素材を傷める原因になるので注意しましょう。クエン酸は洗浄効果が出るまで時間がかかりやすい成分ですが、素材の劣化を防ぐために基本的には1~2時間程度、最長でも一晩までにしておきましょう。
できるだけつけ置きの時間を短くするよう、汚れが落ちたかを定期的に確認してください。
クエン酸の代用品として利用できないものとして、以下の3つがあります。
誤ってクエン酸の代用品として使わないために、それぞれの性質や使い方を把握しておきましょう。
重曹は炭酸水素ナトリウムのことで、アルカリ性の成分をもっており、クエン酸の代用品としては利用できません。
油汚れや食べこぼしなど酸性の汚れを落とせますが、水アカや尿石を落とすのは難しいでしょう。
重曹は以下の場所に付着した汚れやにおいを取る際に使います。
清掃する際は水に溶かしてスプレーボトルに入れて使いましょう。
過炭酸ナトリウムは、酸素系漂白剤に使われる成分の1つで、アルカリ性の性質を持っているため代用できません。
重曹と比べて強いアルカリ性をもっているのが特徴で、主に以下のような用途で使用します。
酸性の強い汚れを取りたい際に過炭酸ナトリウムは有効です。
セスキ炭酸ソーダは、重曹よりもアルカリ性が強く、過炭酸ナトリウムよりは弱い化学製品です。重曹や過炭酸ナトリウムと同様アルカリ性であるため、クエン酸の代わりにはなりません。
主に以下のような用途で使います。
比較的水に溶けやすいため、洗濯にもおすすめです。
クエン酸の代用品として、以下の5つがあります。
上記の5つは酸性の性質をもっており、水アカや尿石を除去できます。自然由来の成分であり、食用としても活用できるため、安全性を気にしている人におすすめです。
レモンやオレンジを使用した場合は柑橘系の香りが付くので、好きな人はぜひ利用してみましょう。
ただし、使用する際は塩素系の洗剤に混ぜないように注意し、酸性に弱い素材には使わないことをおすすめします。重曹や過炭酸ナトリウムなどはアルカリ性なので、代用品として使わないようにしましょう。
クエン酸を持っていない人は代用品を使って、自宅をきれいにしてみてください。
[文・構成/grape編集部]