勤務していた会社の同僚に「社員旅行で海外に行く」などとうそを言い、現金をだまし取った罪に問われた男の初公判が開かれ、男は起訴内容を認めました。
起訴状などによりますと、名古屋市港区の無職・若代欣希被告26歳は2022年12月、当時働いていた会社の同僚で、アルバイトだった22歳の女性に、「社員旅行でシンガポールに行く。30万円渡してくれたら参加できる。お金は後で会社から返金される」などとうそを言い、女性から現金30万円をだまし取った詐欺の罪のほか、その2日後に「行き先がフランスに変更になり、追加費用が必要」と言い、さらに現金28万円をだまし取った罪などに問われています。
8月17日、名古屋地裁で開かれた初公判で、若代被告は起訴内容を認めました。
続く冒頭陳述で、検察側は、女性からだまし取った現金の大半はその日のうちに競馬につぎ込んだと指摘。さらに、若代被告には少なくとも250万円の借金があり、闇バイトにも携わって、指示された住所の写真を撮ることで報酬を得ていたということです。
その後の証拠調べでは、被害に遭った女性は当時、若代被告と交際関係にあり、総額およそ637万円を支払ったことや、若代被告が女性に社員旅行はないと気づかれないよう、いずれも実在しない、総務の「タカハシ」や旅行代理店の「タカハシ」、妹「アヤ」を名乗り、社員旅行などに関するメッセージを送っていたことなどが明らかになりました。
次回の裁判は10月3日に開かれる予定です。