【夏山天気】午後は雷雨の可能性高 宿泊はなるべく小屋利用をの画像はこちら >>
今週末は太平洋高気圧に覆われますが、湿った空気の影響を受けて午後はあちこちで雷雲が発生する見通しです。雷を避けるために登山は早出早着を基本として、できれば営業小屋や避難小屋を利用しましょう。
【天気図解説】高気圧に覆われているが風向きが悪く安定しない
この週末は天気図を見ても天気の判断が少し難しい状況です。19日(土)は高気圧に覆われますが、本州の南にある高気圧と北海道の東にある高気圧は若干性質が異なり、間に前線が解析されています。その前線に沿って日本海から低気圧になりそうな雨雲のまとまりが進んでくるため、北海道南西部と東北では天気の崩れるところが多いでしょう。一方、北日本以外でも広く大気の状態が不安定になる見通しです。高気圧から吹いてくる風や低気圧に向かって吹く風が、それぞれ本州付近で合流するためです。本州付近で風が合流する収束場となると、一般的に山では午後から急な雷雨が発生しやすくなります。高気圧に覆われていても急な天気の変化に注意してください。
20日(日)も本州付近は高気圧に覆われますが、太平洋にある高気圧と日本海にある高気圧のそれぞれから風が入りやすく、本州付近は収束場です。午後は内陸部山沿いを中心に雷雲が発生しやすいでしょう。上空に深い気圧の谷や寒気はなく、大気下層が非常に湿っているため発生する雷雨です。そのため猛烈に荒れることはやや考えにくいものの、局地的には激しい雨が降る可能性があるため十分注意してください。
【夏山天気】午後は広範囲で激しい雷雨のおそれ
具体的に夏山の天気を見てみましょう。一見すると土日とも傘マークばかりが並んでいますが、朝から雨が降りやすいのは土日とも秋田駒ケ岳くらいで、谷川岳から御在所岳までは午後の雷雨の可能性をマークに表現しています。午前中は日本アルプスを中心にもっと晴れるところが多いでしょう。ただし、朝はほとんど雲がなかったとしても昼過ぎからの急な雨には十分注意をしてください。雷を伴う可能性が高く、木の下での雨宿りを避けてください。行動が難しくなるほど風が強まるところはない見込みですが、前線に近い北日本の山の稜線では西風がやや強い可能性があります。
日本海側の山で日照り 紅葉への影響を懸念
早いところではあと1か月ほどで山岳紅葉が始まりますが、今シーズンの紅葉の色づきをやや心配しています。北日本と東日本の日本海側の地域では、梅雨明けしてからほとんど雨が降っておらず、前30日間の降水量が平年の20%以下と極端に少ない地域が目立ちます。台風6号、7号もこの地域にはまとまった降水をもたらしませんでした。また、動きの遅い2つの台風によって山を吹き下ろすフェーン現象が持続し、同じ地域では極端な高温にも見舞われています。日照りとなっている地域に伺うと、意外と夕立等で降水が確保されているエリアもありますが、新潟県の一部山ではすでに葉の枯れがあるエリアもあるようです。紅葉の色づきが鮮やかになるためには、①晩夏から秋の日照時間が十分あること②適度な降水があり葉がしおれないこと③一気に冷え込むこと、の条件があげられます。これから秋雨の時期を迎えますが、それでもなお少雨、高温の傾向が続くのであれば、紅葉(特に紅く色づく紅葉)に影響を及ぼす可能性があります。