元関脇・嘉風(中村親方)の元妻(44)が男性と変死体で発見。かつて「ムヒ」を長女の目に押しつけ暴行容疑で逮捕された元妻の死に「何の連絡もなかった。信じられません」と親方

東京都中央区湊2丁目の高層マンションの一室の寝室内で7月21日、住人の男性(50)と近くに住む女性(44)が胸から血を流して死んでいるのが見つかった。近くに猟銃1丁が落ちており、警視庁築地署はどちらかが発砲して相手を殺した後に自殺を図ったとみて調べている。男は栃木県公安委員会の許可を得て猟銃を所持していた。男の妻を名乗る女性から同日午前10時すぎ、「別居している夫から自殺をほのめかす電話があり、様子を見にきたがオートロックで中に入れない」と110番通報があり、事件が発覚した。
典型的な「痴情のもつれ」でも原因かと、やがて記憶の隅に追いやられかねない事件であるが、実は死んでいた女性は、かつて人気力士の妻で、我が子を虐待したとして逮捕されたこともある女性だった。
亡くなった女性Aさん(左)と元関脇嘉風(現・中村親方) 写真/共同通信
亡くなった女性はAさん。学生相撲出身で大相撲時代は関脇にまでのぼり詰めた人気力士、嘉風(現年寄「中村」、本名・大西雅継さん、41歳)の元妻で、2009年10月に東京・お台場のホテル日航東京で開かれた結婚披露宴には約500人が参列した。しかし、当時すでに生まれて5ヵ月だった長女が小学校高学年になった2021年3月、Aさんはこの長女に対する暴行容疑で警視庁に逮捕された。虫刺され用の塗り薬「ムヒ」を目にこすりつけようとしたり、殴る蹴るの暴行を加える様子を当時、複数の週刊誌が報じ、動画や音声でもその虐待ぶりが世間に広まったうえでの強制捜査だった。この逮捕劇の1年ほど前から嘉風夫婦は関係が悪化、離婚調停に入っていた。しかし、Aさんはここでも「離婚調停中に婚活パーティ!」「パパ活でタニマチ探し」と奔放ぶりを報じられる。一方、2019年に引退した元嘉風こと中村親方も、引退を余儀なくされることになったヒザのけがは「故郷の大分県佐伯市が誘致した渓流下りが原因だった」などとして、同市を相手に約4億8000万円の損害賠償請求訴訟を起こすなど、世間を騒がせていた。
長女の虐待騒動から2年が経過し、すでに世間の記憶から忘れ去られようとしていたさなかに今回の事件は起こった。一緒に亡くなった男性との関係は明らかになっていないが、現場のタワーマンションでは住民たちに衝撃が走った。「ちょうど子どもの送り迎えをしたあと、ここのマンションに自転車で戻ってきたら、エントランス前の道路に規制線が張られて封鎖されていました。救急車一台とパトカー数台、警察官と救急隊員の人たちが忙しなく動いていたので『これはただごとじゃないな』と思いました。同じマンションに住む方が、ちょうどエレベーターから出てくるブルーシートに包まれた2人の遺体を見たと興奮していました。このマンションは2017年にできたばかりなので、『不動産投資』のために複数のお部屋を購入している方もいます。だから『この事件で価格が下がったら嫌だな~』と肩を落とす人もいました」(高層階に住む30代女性)
死亡した男性が住んでいたタワーマンション(撮影/集英社オンライン)
タワマン近隣のクリーニング店の従業員はこう語った。「ウチの常連客のなかに、今回事件があった19階のお部屋と同じ階に住んでる方がいるんですけど、『銃声などはいっさい聞こえなかった』と言ってました。あのマンションは6年前にできたばかりなので、きっと防音設備もいいんでしょう。その常連客も午前10時半ごろに自室のドアを開けたところ、廊下に救急隊らしき人が大勢押し寄せていてビックリされたそうです。その方はちょうど一週間前にエレベーターで今回亡くなった男性の方と居合わせたそうで、スラッとした見た目でとても50才には見えなかったと驚いていました。Aさんと思われる小柄な女性がお部屋に入っていくのも見たことがあるそうです」
Aさんが住んでいたマンション(撮影/集英社オンライン)
大阪に住むAさんの父親は、記者の取材に口を閉ざしたが、Aさんの親戚は肩を落としてこう語った。「Aさんは子どものころは家族と仲がよさそうでしたが、Aさんが成人してからは見かけなくなりました。ご家族は子どもへの暴行事件以降、Aさんの話をしなくなり、こちらも触れないようにしています。我々は亡くなったことも聞かされず通夜葬儀にも呼ばれていません」中村親方(元・嘉風)も元妻の訃報を知らなかったという「実は今年の3月に離婚をしており、もうあっち(Aさん)とは連絡も取ってないし、親族からの連絡もなかったので、私の耳にはなにも入っておりません。Aさんとは裁判で会ったのが最後なんですけど、別になにか話したとかではなく、姿を見ただけです。だから会ったっていうのもおかしな表現ですよね。亡くなったのが事実であれば、もともとは家族だったので、ご冥福をお祈りしたいという気持ちもあります。いまだに信じられません」Aさんとその男性の間に何があったのか、今となっては知るべくもない。取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班