「アペリティーボに行かない?」ってどういう意味?

イータリー・アジア・パシフィックは8月17日、「アフターコロナの飲食スタイル」の調査結果を発表した。調査は7月26日~27日、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県在住の20歳~69歳の男女1,000名を対象にインターネットで行われた。
○コロナ禍で「人生観に変化」が9割 – 「人生の楽しみを大切にしたい」

調査によると、コロナ前と比べてプライベートの時間を作りやすくなったと「思う(とても+やや)」という人は42.8%。コロナ禍と比べても、3人に1人以上(36.5%)がプライベートの時間を作りやすくなったよう。

また、コロナ禍を経て「人生観に変化があった」という人は9割近くにのぼり、具体的には「人生の楽しみを大切にしたい」(75.9%)、「その日その日を楽しんで生きたい」(67.7%)、「頑張ることは大事だが、何事も頑張りすぎないことも大事だと思う」(67.1%)、「家族との時間を大切にしたい」(66.0%)、「これからの時代も収入がとても重要だと思う」(65.6%)が上位に。人生を楽しみつつ、プライベートな時間を充実させたいという思いが強い一方で、コロナ禍のような制限下では収入面といったリアルな状況にも目を向けざるを得ないという、ある意味矛盾した人生観が醸成されていったと考えられる結果となった。
○お酒の飲み方は「家族や友人と」「少人数で」「会話を楽しむ」が上位に

続いて、新型コロナの流行前後で「自宅でアルコール類を飲む頻度は増えましたか?」と尋ねたところ、3割超が「増えた」と回答。一方で「友人・知人を招いて楽しむ機会が減った」と回答した人は25%以上にのぼり、コロナ禍を経て一人で飲むなら自宅で、友人・知人との会食は外で、という傾向が強くなったよう。

また、アルコール類を一緒に飲む相手について聞くと、現在は「家族と」(46.1%)や「同性の友人」(43.2%)、「1人で」(36.6%)が上位に。一方、飲む機会が減った相手としては「同性の友人と」(21.4%)や「職場の同僚と」(14.8%)が多く、加えて「上司と」(3.9%)や「部下と」(3.1%)、「取引先と」(3.0%)など、職場関係者との飲む機会も軒並み低い傾向に。職場では「同僚と」(9.2%)が若干高く、飲むなら上下関係がない間柄で、という気持ちがうかがえた。

次に、今後増やしたい飲み方を聞いたところ、「少人数で会話を楽しむ程度に飲む」(14.9%)や「食事に合わせてお酒を飲む」(14.8%)に票が集まり、長時間飲むというよりも楽しみながらお酒を飲みたいという欲求が強いよう。

また、アルコールを飲むことについて「気分転換になる」と回答した人は73.4%。次いで「楽しい気分になれる」(71.9%)、「飲酒は生活の中で無理なく取り入れたい」(70.8%)、「節度の有る時間と量で切り上げたい」(69.1%)と続き、ここでも、長時間飲んだり、無理に多くのお酒を飲んだりするような飲み方とは一線を画した回答が上位となった。
○イタリア発祥の飲み方「アペリティーボ」とは

次に、若年層を中心に人気が出始めている、イタリア発祥の飲み方「アペリティーボ」について調査を行った。「アペリティーボ」とは「食前酒」を意味するイタリア語で、ディナー前の夕刻から食前酒と軽いフードを楽しむスタイル。イタリア人にとってアペリティーボは「食前酒としてのカクテルだけでなく、ライフスタイルの1つであり、仲間や家族と楽しく過ごす時間そのもの」と言い、日常の暮らしの中にしっかりと根付いているのだとか。まずはプロセッコやイタリアンカクテルで乾杯。軽めのおつまみで家路につく人もいれば、レストランメニューを決めながらアペリティーボをしたり、そのまま夕食にという人もいたりとさまざまなのだそう。

まず、アペリティーボの認知状況を聞いたところ、約7割が「知らなかった」と回答。ただし、20代では24.0%が「内容まで知っていた」、25.5%が「名前だけ聞いたことがある」と、認知度は約5割という結果に。

「アペリティーボに共感できるか、利用したいか」と聞くと、約半数が「共感できる」と回答。また、アペリティーボを含めて雰囲気、スタイル、料理などでイタリアに行ったような気分にさせてくれ、カジュアルで敷居が高くないお店やサービスを「利用したい」と回答した人は約55%にのぼった。

イタリアでは前述のアペリティーボをノンアルコールドリンクで楽しむ人も多くいることから、最後に、ノンアルコールドリンクを飲む場面を聞いたところ、「健康を考慮して」(43.4%)、「運転する必要があるとき」(36.6%)、「飲酒後の疲労を回避したい」(29.9%)が上位に。また、「普段から飲んでいる」(22.2%)という人も一定数みられ、「酔い」を楽しむというよりもコミュニケーションを楽しむ意向が進んでいることがうかがえた。