「ぼくのいぬはどうしてこんなにかわいいのか」 SNSで話題、自由研究絵本に 老犬への愛に反響 小学3年生、船橋のしゅん君(8)

愛犬のかわいさを調べた小学生の自由研究がSNSで話題になり、今夏、絵本になって発売された。タイトルは「ぼくのいぬはどうしてこんなにかわいいのか」(KADOKAWA、1430円)。生まれた時から一緒に生活してきた老犬をいたわり、子どもならではのまっすぐな愛情を伝えている。絵本についてSNSでは「じーんと涙があふれてくる」「昔飼っていたワンちゃんにとても会いたくなった」などと大反響。命の尊さを改めて感じる作品だ。
船橋市に住むしゅん君(8)は小学3年生の男の子で、愛犬チャコは柴犬で16歳のおばあちゃん。「小さい時にこれがないと眠れないものがチャコだった。しゅんが寝るとチャコが『寝かしたよ』って顔して起きてきていた」と母親は話す。
昨年、夏休みの自由研究で好きなものを調べていいと知ると、しゅん君は真っ先にチャコが思い浮かんだ。「チャコがかわいかったから。チャコも調べてほしいって顔をしていたから」
調べたのは「どうして昼はねるのに夜はねないのか」「なぜ赤ちゃんになったりピラニアになるのか」「はなはなんでくろいのか」「どうしてこんなにかわいいのか」の4点。毎日観察を続けたほか、インターネットで調べ、動物病院の先生に話を聞いた。でも、一番知りたかった答えは、しゅん君の心の中にあった…。
完成した自由研究を父親がX(旧ツイッター)に投稿。11・8万の「いいね」(16日現在)がつき、大きな話題となった。その投稿が編集者の雨宮郁江さんの目にとまり、本作が誕生した。雨宮さんは「しゅん君の大切にしようという思いが伝わってきた。こんなストレートで暖かい表現は、後から作ろうと思ってできるものじゃない。良い絵本になると思った」と振り返る。
雨宮さんはしゅん君の両親に写真を提供してもらい、絵本作家のえがしらみちこさんにイラストを依頼。しゅん君とチャコのありのままの姿が優しいタッチで描かれている。絵本の最後には、実際の自由研究を掲載。雨宮さんは「実話なのでノンフィクション風にした。ペットを飼っている人、これから飼う子どもに読んでほしい」と呼びかける。
チャコは体力が衰え、一日のほとんどは眠っている。昨冬に病気になると、しゅん君はサンタさんに「ちゃこがげんきになるくすりをください」とお願いしたという。
チャコのどんなところが好きか聞くと「寝てるところ」としゅん君。取材中も眠そうなチャコを抱きしめながら話してくれた。「もう少し大人になったら、チャコのご飯を作ってあげたい。これからも長生きしてね」
(佐藤瑞妃)