驚いた! 立憲民主党の原口一博氏がディープ・ステート(闇の政府・通称DS)の存在を信じていて、反ワクチンなどの陰謀論者であることは知っていた。参政党も同様にDSやら反ワクチンを主張している政党であることも知っていた。
しかし立憲民主の原口氏が、参政党の副代表兼事務局長の神谷宗幣氏と、共同で街頭演説を行い、原口氏は開口一番「【親友】の神谷宗幣さんをご紹介いたします」と言ったのだ。
野党第一党で民主党時代には、総務大臣、民進党時代には副代表にもなった立憲民主の大重鎮が、2022年の参院選に初当選したばかりの、しかも別の政党の神谷氏と、そんなに深い関係にあったのかと。
また参政党はかなりの右派政党であり、立憲民主は共産党と手を組むなど左傾化が進んでいるのにだ。
そしてこの2人を結び付けているのが、反ワクチンなどの陰謀論なのである。
原口氏は街頭演説で「実は今年1月に悪性リンパ腫が見つかりました。ワクチンのせいだと思います」と明言。
悪性リンパ腫は血液のがんと言われている病気だが、新型コロナワクチン接種でがん患者が増えるというのは憶測でしかない。幸い原口氏の病気は今では「寛解」しているという。
さて、2人の街灯演説を聞いてみると、立民原口氏の参政党神谷氏への応援演説としか聞こえなかった。
演説の途中で原口氏は「俺、参政党に入ろうかなあ」と冗談をいうほどであったのだ。
原口氏と神谷氏の主張によると「今回のパンデミックは、コロナウィルスのワクチンがまず先にワクチンが完成してから、ワクチンに合わせて作られたウィルスがバラまかれた」というものであった。さらに2人が言っていたのは
「ワクチンは利権」「これは生物兵器、バイオテロである。このことを防衛省にも言ったが、取り上げてもらえない」「ワクチン接種のせいでがんが増え、たくさん死んでいる」「すべてDS(闇の政府)の仕業」
などなどだ。
原口氏や神谷氏は「我々はデータを調べて語っている」と主張しているのだが、どうもご自身のご都合のいいデータのみをつまんで「我々は正しい」と主張しているようだ。彼らの主張は
「ワクチン接種の後に超過死亡者(本来想定されている死亡者数より増えた数)が増えた。だからワクチンは打ってはいけない」
と、実に単純でわかりやすい。不安になっている人は「やっぱりな」と思う。だが、超過死亡者数の原因がそんなに単純なものではないことは、皆さんご存じの通りだ。
それと、確かに陰謀論や反ワクチンには一部熱狂的な支持者がいて一定の票になる。日本は民主主義国家だ。政治家がどのような主張をするのも自由である。
その政治家を選ぶのは我々の1票で、彼らは選ばれて議員になっている。だから無視するわけにはいかない。
それにしても立憲民主党の重鎮原口議員の言動に、立民代表の泉健太氏は、頭を抱えているのだろうな。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。